鹿島が施工時のCO2排出量を見える化する「edes」開発、2020年度に全現場へ現場管理

鹿島建設は、建築現場ごとの施工CO2排出量、建設廃棄物発生量、水使用量を月単位で集計して見える化する環境データ評価システム「edes」(イーデス)を開発、2019年6月から本格運用を開始した。

» 2019年08月19日 08時00分 公開
[BUILT]

 鹿島建設は、建築現場ごとの施工CO2排出量、建設廃棄物発生量、水使用量を月単位で集計して見える化する環境データ評価システム「edes」(イーデス)を開発、2019年6月から本格運用を開始した。

photo edesの画面イメージ(延床面積当たりの施工CO2排出量) 出典:鹿島建設

 施工によるCO2は、約7割が建設機械の燃料由来で残りの約3割が電力由来だ。そこで鹿島建設は、サンプル抽出した現場の施工CO2排出量から推計した施工高1億円当たりのCO2排出量原単位を求め、全社の年間施工CO2排出量を把握してきた。しかし燃料由来の排出量を算出するためには、現場内で稼働する建設機械の種類や台数、稼働時間の情報が必要でデータ収集には時間と手間が掛かるという課題があった。

photo edesのシステムイメージ 出典:鹿島建設

 edesでは全ての建築現場で運用している施工管理支援サービス「Buildee」(ビルディー)から、各現場の情報を自動的に読み込むことで施工CO2排出量を算出できる。さらに、電力由来および土砂・廃棄物の搬出車両に使用する燃料由来のCO2排出量を加算し、施工CO2排出量を月単位で把握することが可能だ。毎月の実績を見える化し使用量予測曲線を重ねて表示することで、現場内の他、本社や支店においても施工CO2排出量の状況が管理できる。

 今後鹿島建設は全国の現場に順次edesの普及および展開を図り、2020年度を目標に土木現場を含む全ての現場に導入する予定だ。edesを各現場で活用し、蓄積された環境データを分析・解析することで、効果的な施工CO2排出量の削減などの環境対策の抽出と全社展開を進めていく方針だ。

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