セラーズ営業部部長の赤川隆二氏は、自身の経験から、「1万平方メートルの現場を1年で仕上げる案件では、前工程がずれ込んだため現場に入れず、10〜9カ月に工期が短縮されたことがある。短い工期では、増員しなければ現場を回せないが、技能工を集められないのが実情だ」と問題提起した。
セラーズでは、3M VHB テープ Y-4800-12建築パネル仕上げ用を同社の執務室で、実験的に施工し、強力な接着力があることを確認したという。設計・商品開発部 取締役部長の齋藤洋平氏は、「接着剤の塗布は管理が難しい。両面テープの使用で材料が減ることにより、工期短縮がもたらされ、人手不足の解消も見込める。接着剤の工程がスッポリ抜けるため、(感覚として)従来工法と比べると、同じ人工で1.5倍のスピードアップになり、高齢の方でも作業効率を向上させられる」。
赤川氏は、「始めは強度を疑問視していた職人も仮止め無しで本接着できるので、“非常に楽だ”という感想を聞いた。また、接着剤のカートリッジの様に、ゴミが出ないのも利点だろう。ゴミ捨て場が地下にあると、エレベーターの昇降だけで時間を大幅に取られてしまう。世間一般では、テープでパネルを貼ることがまだ認知されていないので、3MにはもっとこのテープをPRして現場に広めてもらいたい」と要望し締めくくった。
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