3M VHB テープ Y-4800-12建築パネル仕上げ用を使用するメリットについて、スリーエム ジャパン テープ・接着剤製品事業部 マーケティング部・桑名勇輔氏は、「施工時間の短縮」「施工管理の簡易化」「作業者の負担軽減」の3つを挙げた。
施工時間が早まることで、工期が短縮されるだけではなく、材料費や人件費でトータル約15.6%のコスト低減も見込める。施工管理面では、接着剤の様に塗りムラが無くなり、テープの長さだけで管理することができる。作業者にとっては、フロア数が多い現場で、接着剤とテープの副資材を頻繁に運搬しなければならない重労働が、軽量のテープを持ち運ぶだけで済むようになる。
一例として、500×1000ミリのパネル66枚を施工するケースでは、接着剤15本(8.6キロ)とテープ264メートル(1.8キロ)の10キロ以上を持ち運ぶ必要があるが、建築パネル仕上げ用テープはテープ重量の2.7キロだけで完結し、重さが74%も削減される計算になる。
テープ・接着剤製品事業部 マーケティング部 部長の金子健太郎氏は、新製品開発と建築内装分野への本格参入の意図について、「日本の建築市場では、深刻な労働力不足と工期の遅れが懸念材料となっている。人手不足は1990年代後半から、特に技能工の減少が顕著」と指摘。
「人が足りない中で、再開発や五輪関連工事が増加し、悪天候で進まない基礎工事、建設資材の不足による躯体工事の遅れにより、最後の内装仕上げにしわ寄せが来ている。そのため仕上げ工程の工期短縮が求められ、ここの生産性をどう上げるかが重要となる」と説明した。
「技能工も高齢化が進み、これから定年を迎えると一気に担い手がいなくなってしまう。そのため、今後は従来の分業制を変え、1人の職人がいくつもの施工を担う“多能工化”が予想される。3Mではグローバルで3万棟の実績がある接合材を強みに、施工時間の短縮や施工管理の簡易化、作業者の負担軽減で、こうした課題の解決を図っていく」と、これまでにない形での市場参入の意義を示した。
新製品発表会では、埼玉県に本社を置く、大手町パークビルディングなどの内装仕上げを手掛けたセラーズと、フリーエディターの松浦隆幸氏をファシリテーターに迎えたトークセッションも行われた。
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