建築CGパースやプレゼン機能をはじめ、意匠から、構造、申請、積算までの住宅・建築設計を支援する3D-CADソフト「ARCHITREND ZERO」がバージョンアップした。Ver.6では、近年関心の高い住宅の耐震性に関する新機能を追加し、意匠検討段階で、耐震基準を満たす無理のない間取りを考案でき、手戻り削減につながる。
福井コンピュータアーキテクトは、新機能「耐震チェック」を搭載した3D建築CADシステム「ARCHITREND ZERO(アーキトレンド ゼロ)Ver.6」を2019年7月24日に発売する。
住宅金融支援機構の調査によると、住宅事業者の重点取り組み事項および一般消費者が重視するポイントは、住宅の性能として「耐震性」が上位となっている。地震が多発する日本で、耐震性能は住宅の価値を判断する重要な性能の一つとなっている。
とくに2016年の熊本地震では、住宅に甚大な被害が発生し、耐震性能に注目が集まる契機となった。この際は、現行の新耐震基準(等級1)で、倒壊や全壊するケースも発生したため、現在では建築基準法の1.5倍強い耐震等級3への対応が求められている。
しかし、専門知識を有していない住宅事業者やコスト・性能を施主に説明し切れないケースなど、耐震等級3の普及は新築戸建住宅の20%程度にとどまると推測されるという。
こうした流れを踏まえ、アップデートしたARCHITREND ZERO Ver.6では、意匠設計段階から耐力壁などのバランスを考慮し、耐震等級の検討が可能な新機能「耐震チェック」を搭載した。平面、屋根伏図にプランを入力するだけで、耐震等級3や2に必要とされる壁量や床構面などを自動計算することが可能だ。項目ごとにOK/NGの判定を行い、間取りに無理がないかを瞬時に判断できる。無理な間取りや非効率なプランの提案を防げるため、設計段階での手戻りが解消される。
数値解析ソフトウェア「wallstat」との連携も強化し、耐震等級や間取りによる性能の違いを視覚的に施主へ伝えることができる。耐震の専門知識を持たないクライアントでも住宅性能を理解することが実現する。
また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応する機能も拡充し、仕様の入れ替えや設備仕様の選択など、ZEH住宅の仕様検討がスムーズになった。外皮計算における図面や計算表の自動作成・配置機能で、申請図書作成の時間と手間が短縮化される。
さらに、スマホやタブレットの活用で施主とのコミュニケーションを強化する3DビュワーのURL発行機能を追加。メールやSNSを活用して、クライアントのスマホやタブレットに、3Dデータの内観・外観イメージを直接届けられるようになった。
ARCHITREND ZERO Ver.6の価格は、基本プログラムが80万円〜(税別)。
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