福井コンピュータは、CIM(Construction Information Modeling)ソフトウェア「TREND-CORE(トレンドコア)」に、点群データを取り込んで合成できる新機能を開発した。これにより、施工プロセスや工事完成イメージを3D空間上で把握できるようになり、設計段階や工事着手前の問題点の確認や完成イメージをつかむことが容易になる。
建設業向けのトータルCADメーカー福井コンピュータは、点群データと設計データを3D空間で立体的に合成させ、工事の完成形を的確にイメージすることができるCIMコミュニケーションシステム「TREND-CORE」を2018年秋にバージョンアップさせる。併せてTREND-COREで作成したCIMモデルをVR体験できる建設バーチャルリアリティーシステム「TREND-CORE VR」も同時にアップデートする。
新バージョンのリリースに先立ち、2018年8月28〜30日に幕張メッセで開催された「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」で実演デモやVR体験が行われた。
TREND-COREに新たに追加される機能は、点群データの取り込み。CIMモデル(設計データ)に実際の点群データ(現況データ)を重ね合わせることで、既設構造物への干渉チェックや景観への影響などを確認することができる。
点群データをスナップして、モデルの入力や計測が可能なため、計測結果に基づいた3Dモデルの構築が、より正確かつ効率的に行える。
CIMデータを活用した建設向けのVRシステム「TREND-CORE VR」も、今回のバージョンアップに合わせて、点群データに対応させる。起工測量や進捗管理に使用する点群データをそのまま活用するので、今までリアリティーを持たせるため必要だった周辺状況を再現するためのモデリングが不要となり、VR空間の作成が容易になる。確認できない高所の出来栄えや埋め戻し前の状況も、点群データを利用することで、バーチャル空間上でいつでも再現・確認ができるようになる。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、HTC社のVIVE Proに加え、Windows Mixed Realityにも対応する。
会場では来場者がHMDを装着し、CIMデータと点群データで3次元化された仮想空間の土木工事現場で、出来形チェックなどのVR体験を行った。
また、3D点群処理システム「TREND-POINT(トレンドポイント)」も、2018年10月23日にVer.6をリリースする。
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