ST-COMMの大きさは80×160×56ミリと小型で、電源は単3形リチウム乾電池を8本使用。低消費電力ながら長距離伝送を実現する無線通信規格「Sigfox」を採用することで、乾電池の交換を数年単位まで頻度を下げることが可能になった。「1日4回程度の測定なら5年間は交換せずに動作できる。小型化と乾電池駆動で本体コストも抑えられている」(CACH担当者)
ST-COMMの価格はクラウドサーバの利用料や通信コストも含めて1台当たり年額25万円。現地に高価な測定器を持ち込んで測定する従来のシステムに比べ、コストは10分の1以下で済むという。
構造物のひずみを常時監視することで異常を未然に発見できる予防保全は、橋梁やトンネルといった道路構造物だけでなく、さまざまな建築物や施設、設備への応用が期待できる。予防保全をベースに低コスト化を実現したST-COMMの活用シーンは多岐にわたる。
「ビルや工事現場の仮設構造物、太陽光発電設備、船舶などの常時モニタリングの他、補強工事を行った後の経過監視などにも活用できる。2018年の秋に製品をリリースしてから、既に大手建設会社や研究機関などで採用実績がある」(CACH担当者)
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