デモでは、目次で必要なところをクリックすると、平面の配置図上でパノラマ画像を取っている箇所がポイントで表示される。パノラマ画像をクリックすると、ひもづけられた資料データを表示させることができる。タブレットやノートPCを持っていれば、納入書や説明書を点検や保守の際に、現場に居ながらにして、デジタルデータで確認することが実現する。
試験導入した感想としては、補足資料などの書類作成業務が軽減されたことが挙がった。しかし、改善点もいくつか洗い出され、パノラマ写真の撮影タイミングは、建築の仕上げ工程の遅延などにより、困難を極めたことや、そもそもがペーパーレス化を目指した試みだったが、施主側の要望によって書類提出が必要となり、省力化には至らなかったことなどがあった。
また、データの作成時間は、竣工間際だと忙しいため、資料の整理や撮影の立ち会いを依頼したことにより、現場担当者に負担をかけることになっってしまったのだという。
次回への見直し点について佐藤氏は、「建物全体を対象にするよりは、専用部または共用部だけにするなど、施主に合わせて必要な範囲を決めることが重要。そうしたデータ化のフォーマット(基準)を作ることで、全体の作業効率化につながる。今回は、クライアントの意向に沿う形になり、最終的には紙ベースが残ったが、施主側へのペーパーレス化の提案は、継続して働きかけていかなければ」と語った。
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