BIM/CIMデータを官民で共有できるプラットフォーム構築を目指す、国交省のi-Construction動向buildingSMART International Summit,Tokyo(4/4 ページ)

» 2018年11月12日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]
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3Dデータが共有可能な「インフラ・データプラットフォーム」2020年度試行

 BIM/CIMガイドラインそのものは、当初はICT土工をまず2016年度に策定し、「河川」「ダム」「橋梁(きょうりょう)」「トンネル」で順次まとめ、2017年度には「機械設備」を作り、2018年度は「下水道」「砂防・地すべり対策」分野にも拡大して素案の検討に入った。

 契約時に3次元のモデルを2次元に落としてしまっては、2次元と3次元で齟齬(そご)が合った場合に混乱を招くため、3次元での“電子契約”も検討されている。2018年度は電子契約の試行だけは先行して始め、2020年には電子契約の標準化を行う。電子契約の前提となる3次元モデルの表記標準化は、2017年度に土工・橋梁で案を作成し、2018年度は山岳トンネル、河川構造物、ダム(ロックフィル、重力式コンクリ)で試行を行う。

電子契約に向けた標準化

 発注者・受注者双方でBIM/CIMデータを利活用するためには、全てオンライン上で処理することが不可欠になる。そのため、3次元データの流通・利活用が可能なプラットフォーム「インフラ・データプラットフォーム」の構築も進められている。2018年度はオンライン電子納品の機能要件を整理し、次年度のシステム構築に向けた議論が交わされた。

 併せて、納品された電子成果品を検索・ダウンロードする機能、クラウドなどを活用した情報共有機能をシステムへ追加するために必要な要件を整理し、オープンデータ化の検討も進めている。構築されるプラットフォームは、BIM/CIMだけでなく、周辺のデータも含めてオンライン上で、関係者が共有できるようにして、2020年度には運用を始める予定。また、単に成果品だけはでなく、国や自治体などが保有するデータを公開して関係者に開放することが将来的には求められる。

3次元データの流通・利活用に関する検討

 インフラ・データプラットフォームのイメージとしては、基盤地図情報をはじめ、構造物の点検記録など国交省が保有する「社会資本情報プラットフォーム」、電子納品・保管管理システムを統合。形式の異なるデータを集約して、ベースとなる地図上で3次元モデル化し、発注者、受注者、施設管理者、研究機関がクラウド上でアクセスできる環境を構築する。さまざまなデータ解析・サービスへの転用に役立てることを将来的には目指していく。

インフラ・データプラットフォーム構想
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