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» 2018年11月12日 06時00分 公開

buildingSMART International Summit,Tokyo:BIM/CIMデータを官民で共有できるプラットフォーム構築を目指す、国交省のi-Construction動向 (1/4)

国土交通省では、ICT技術による生産性革命プロジェクトのうちの一つ、i-Constructionで、BIM/CIMガイドラインの策定をはじめ、大規模構造物でのCIMの試行、BIM/CIM発注者向け研修など、さまざまな施策を展開している。buildingSMART International Summit,Tokyoにおける国交省の講演から、最新のBIM/CIMの取り組みを探った。

[石原忍,BUILT]

 2018年10月16〜19日に開催された「buildingSMART International Summit,Tokyo」のプログラムから、国土交通省の建設生産性の革新的な生産性向上への取り組みを紹介する。スピーカーは、国交省 大臣官房技術調査課 建設システム管理企画室 課長補佐 那須大輔氏。

「日本の建設業は、“生産性停滞国”に足を踏み入れた」

国交省 課長補佐 那須大輔氏

 那須氏は生産性向上を目指す背景として、「建設業の生産性は、国際平均22ドルよりも若干上回る33ドルに位置し、一応は先進国としての地位は保っている。しかし、労働生産額は1995年を機に一度下降して、再び持ち直したものの横ばいで、“生産性停滞国”に足を踏み入れたのがいまの現状だ」と指摘。

 建設業とよく比較対象される製造業は、1994年ごろに生産性が低さが指摘されていたが、ICTの活用でかなり改善。しかし、建設業は1994年から落ち込み、2008年前後に底を打って、90年代半ばの生産性にようやく追い付くかどうかという状態にある。

 就業者・時間あたりの「付加価値労働生産性(実質GDP/就業者数×労働時間数)」は、全産業で上昇傾向にあるなか、建設業は20年前と比べてもほぼ水平方向にある。要因としては、1980年代のバブル期に政府・民間投資の両方から、当時80兆円を超える建設業への投資があったことが背景にある。反動として、バブル崩壊後の2009年には40兆円にまで落ち込み、2017年度は55兆円程度に若干持ち直したが、今後もバブル当時まで戻すことはないだろうと予測されている。

建設業の労働生産性の国際比較。日本は赤丸で生産性停滞国に入りつつある
建設投資・許可業者および就業者数の推移。1997年のピークから下降線をたどる

 建設業の働き手となる就業者は、1997年のピーク時に625万人だったが、その後減少し、2017年は498万人にまで落ち込んだ。建設業は、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)という認識が根強くあり、若年層が入ってきにくい。全産業では55歳以上が約3割を占めているのに対し、建設業はそれを超える34%。30歳未満をみても、全産業の16.4%に比べ、建設業は11%と、若手が入ってこない構造が顕著に表れている。

建設業就業者の高齢化
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