三井不動産は、「東京ミッドタウン日比谷」の竣工(しゅんこう)式を開催した。広大な緑化空間とイノベーション創出支援拠点を併せ持つ同施設は、2018年3月29日の開業を予定する。
三井不動産は2018年1月30日、千代田区有楽町一丁目の大規模複合開発「東京ミッドタウン日比谷」の竣工(しゅんこう)式を開催した。2000m2の広大な緑化空間とイノベーション創出支援拠点「BASE Q」、オフィス空間と商業を併せ持つ同施設は、2018年3月29日の開業を予定している。
竣工式に合わせ同社は竣工記者会見を開催し、同社社長の菰田正信氏と日比谷街づくり推進部長の山下和則氏が東京ミッドタウン日比谷の開発概要を説明した。同社は、東京の新たなハブとなる「日比谷」エリアに、ビジネス・芸術・自然環境を融合させた街づくりを目指したという。
日比谷は、ビジネス街の大手町・丸の内、官庁街の霞が関、日本有数の商業エリアである銀座、今後さらなる発展が予想される虎ノ門・新橋の結節点にあり、2014年12月には東京圏で初めて国家戦略特別区域として指定された。
この日比谷に立地する同施設は、地上35階、地下4階、延床面積約18万9000m2のオフィス・商業などから構成される大規模複合開発。マスターデザインアーキテクトはホプキンスアーキテクツ、都市計画・基本設計は日建設計、実施設計・監理はKAJIMA DESIGNによるもので、施工は鹿島建設が行った。
東京ミッドタウン日比谷の外装デザインコンセプトは、かつて日比谷の地にあった鹿鳴館から生まれた。ホプキンスアーキテクツで設計責任者のサイモン・フレーザー氏は「かつて日比谷にあった鹿鳴館から受けたインスピレーションは、設計当初からのアイデアで、舞踏会でカップルがダンスをするイメージがデザインの原点。“ダンシングタワー”というコンセプトを掲げ、高層部のファサードは柔らかな印象を与える曲線で表現した。」と語る。
また、日比谷通りに面する低層部のファサードは、かつてアールデコ様式建造物として建築美が高く評価されていた「三信ビルディング」の石張り壁面をイメージとして踏襲し、品格あるデザインを実現したという。
ランドスケープデザインは、隣接する日比谷公園の柔らかな園路やソフトな街並みから着想され、都市と公園の融合を目指したとする。ビル6階と9階には日比谷公園の植生と一体化した植栽空間を整備し、周辺道路の一部も緑豊かな歩行者専用道路とすることで、計画敷地内に合計2000m2(緑化率約40%)の緑化空間を創出した。
防災やBCP(事業継続計画)対策にも力を入れる。鹿島建設が開発した新世代の制振オイルダンパー「HiDAX-R」を通常構造よりも多く、効率的に配置することで耐震性能を向上させ、ガスコージェネレーションシステムやデュアルフューエル非常用発電機との組み合わせにより震度7クラスの地震に対しても耐震安全性や事業継続性を確保した。また、約3000人の帰宅困難者受け入れ機能も備えるという。
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