清水建設は、汎用性の高い設計データ処理/管理プラットフォームを開発し、運用を開始した。地下構造物の耐震設計の一部作業への適用を経て諸機能の有効性を確認済みで、関連業務を5割以上省力化できる見込みだ。
清水建設は2026年5月26日、土木構造設計の生産性や品質の向上を目的に、大量の設計データ処理やチェック業務を自動化する汎用性の高い設計データ処理/管理プラットフォームを開発し、運用を開始したと発表した。地下構造物の耐震設計の一部作業に適用し、機能の有効性を確認済みで、関連業務を5割以上省力化できる見込みだ。
新プラットフォームは、土木設計/施工計画向けDX基盤「Shimz DDD」の設計自動化(Design Automation)施策の一環として開発した。
高度な土木構造設計では、構造解析や流体解析、地震応答解析など複数の数値解析プログラムを連携して使用する。従来は発注者から受領した地盤条件や地震動に関する多様な形式のデータ(根拠資料)をExcelなどで中間処理しながら各解析プログラム用の入力形式へ変換し、順次実行していた。
一方で、データ変換作業はエンジニアの知見や手作業に依存し、プログラム間でデータが正しく受け渡されているかを確認するチェック作業にも大きな負担が生じていた。形状が単純な地中構造物の一断面に関する概算検討だけでも、チェック資料は数百ページに及ぶことがあるという。また、トレーサビリティーにも課題があった。
根拠資料とエンジニアが作成する構造化データを一体管理する機能に加え、データ変換プログラムと数値解析プログラムを順に接続して設計の処理フローを設定/実行できるビジュアルプログラミング機能を備える。処理フローの実行履歴管理、データやプログラム更新時の通知/アラート機能も搭載。エンジニアが担う作業は構造化データの作成と処理フロー設定のみで、その後の処理は自動実行される。
プラットフォームでは、根拠資料と構造化データがデジタル上でひも付けられ、変更履歴もクラウド上のデータベースに保存される。また、一度設定した処理フローは同種業務へ再利用でき、業務の標準化や生産性向上につながる。処理フローの実行履歴を保存できる他、後からデータやプログラムを更新した場合には画面上にアラートを表示し、関連する修正作業への対応漏れを防ぐ。
清水建設は今後、大量のデータ処理を伴う原子力発電施設や洋上風力発電所の設計、施工時における近接構造物への影響検討など多数ケースの試行検討や照査を要する案件に新プラットフォームを活用し、生産性と設計品質の向上を図る。
“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(40):土木技術者が自らアプリを作れる時代へ 「AIコーディング」で加速する土木DX
i-Construction 2.0:現場のヒト/モノ/コトを交響楽団のように最適編成、サイテックの次世代ICT土木基盤
日本列島BIM改革論〜建設業界の「危機構造」脱却へのシナリオ(14):BIMの限界を突破 “IM”へ進化を促す新しい活動「BIM Innovation HUB」始動!(その2)
デジタルツイン:海上保安庁が日本周辺の海底を“マインクラフト”の世界で再現 ワールド無料公開
AI:設計図書から工程表を自動作成するAIエージェントの製品版を提供
AI:380自治体の議会議事録をAI分析、公共工事の発注予兆をキャッチする「Info Hub」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10