アドバンスト・メディアは、AI音声認識と生成AIを組み合わせた建設業界向けプラットフォーム「AmiVoice B-Work One」をリリースした。これまで音声入力技術を軸に個別展開してきたサービス群を統合し、現場の円滑な情報共有と業務効率化を支援する。将来はAIエージェントによる自律的な現場支援を目指す。
アドバンスト・メディアは2026年4月9日、自社のAI音声認識技術「AmiVoice」と生成AIを組み合わせた建設業界向け新プラットフォーム「AmiVoice B-Work One(アミボイス ビーワーク ワン)」をリリースした。AIアシスタントが建設現場で日々蓄積される多様な情報を横断的に活用し、現場の円滑な情報共有と業務効率化を支援する。今後3年で3000社、20万ライセンス規模の展開を目指す。
AmiVoice B-Work Oneは、アドバンスト・メディアが音声入力技術を軸に個別展開してきた写真管理や議事録作成などのサービス群を統合し、プラットフォームとして提供するもの。新たにAIアシスタントやチャット、スケジュール、ファイル共有機能を追加し、現場業務に必要な機能を一体的に利用できる。
アドバンスト・メディアは1997年の創業以来、音声認識技術に特化して事業を展開し、医療機関やコールセンターなどで実績を重ねてきた。2013年に大阪にビジネス開発センター(BDC)を設立し、新規事業開発の一環で建設分野に参入した。
2026年4月7日に都内で開催した記者発表会で、アドバンスト・メディア 専務取締役 執行役員 BDC本部 本部長 立松克己氏は、「ゼネコンとの協業を通じ、建設業界では人手不足が深刻で、紙中心の業務が根強く残っている状況を知った」と振り返る。参入の経緯について「現場ではハードウェアに入力する際のキーボードやタッチパネル操作に課題があり、音声入力によるデータ入力やコマンド操作が有効ではないかと考えた」と説明した。
2016年には建設業界向けサービスの第一弾として、音声でデータ入力を完結できる検査アプリケーションを発売。直近では年間1万6000ライセンス規模まで拡大している。
建設業界ではITツールを採用して現場の生産性向上を目指す動きは進みつつあるが、就業者の年代は55歳以上が約4割を占め、若年層は1割程度にとどまっており、導入後の定着が難しい実情がある。一方で働き方改革による労働時間の上限規制により人手不足がさらに深刻化し、資材価格の高騰も重なって、工期の長期化や再開発の見送りもみられる。現場の効率化や意思決定の迅速化は喫緊の課題となっている。
立松氏は「建設会社各社も若年者確保に乗り出している。2000年代前半と比較すると若年者の入職が増え、離職者数を上回りつつある。ただし労働力不足の十分な改善には至っていない」と現状を説明。建設業界の課題に対し、人が行う判断や作業の一部をAIが支援、代替できる環境を構築するため、自社製品のプラットフォーム化に踏み切った。
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