その他、実用化前のPoC(概念実証)段階での先行導入事例では、鹿島建設の「鹿島KIビル」や東急建設の「渋谷駅線路切替工事」のプロジェクトで、多人数が同時にリモート接続できるメタバース空間として情報共有に使われた。前鼻氏は「竹中土木では、トンネル工事現場を遠隔地から監視するライブストリーミングに用いた。国交省の担当者が現場から離れた郡山国道事務所でヘッドセットを装着し、掘削の切羽(先端部)に当たる岩盤状態の説明を受けた。これまで10社ほどが導入しており、設計だけに限らず、採用活動向けイベントや新人教育、土木の遠隔臨場、施工段階の検討など用途の幅は広い」と紹介した。
RICOH Virtual Workplaceの料金体系は、同時接続3ユーザーの「スタンダード」プランで年間135万円、同接10ユーザーが可能な「フルチーム」で年間300万円。別途で初期費用5万円や導入教育費10万円が掛かり、デバイスが必要であればMeta Questの有償提供やPC設定、運用サポートなどもオプションで用意している。
仮に大容量のBIMデータを表示したい場合は、パフォーマンス調整や分割表示などのカスタマイズにも対応。前述した竹中土木のトンネル工事では、「VR空間内のライブで、検査結果まで入力したい」とのニーズに機能追加で応えた。
リコージャパンでは今後、建築分野ではゼネコンの設計部門や建築設計事務所、土木分野では建設コンサルへの提案を進める。機能面では、設計検討をより円滑にする機能の拡充、サービス運用の負荷低減、顧客業務を効率化するためのAI活用も見据える。前鼻氏は「各社ごとにコンテンツを個別に開発するのではなく、利用料だけで簡単に使えるサービスプラットフォームを目指したい。その基盤機能の1つとして、既にホロラボが提供するARサービスの『mixpace(ミクスペース)』とクラウド連携しており、同じデータをAR=VRのどちらでも使える」と語った。
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