住宅の複層壁非水分検査機 「壁スキャナ」を開発、大和ハウス工業メンテナンス

大和ハウス工業は、戸建/賃貸住宅向けに、複層壁内部の含水状態を非破壊で測定/可視化できる水分検査機「壁スキャナ」を開発した。

» 2026年03月23日 11時00分 公開
[BUILT]

 大和ハウス工業は2026年3月19日、戸建/賃貸住宅などを対象に、通気層を含む複層壁内部の含水状態を非破壊で測定/可視化できる水分検査機「壁スキャナ」を開発したと発表した。

壁スキャナによる検査イメージ 出典:大和ハウス工業プレスリリース

 住宅部材は含水率が高いと劣化につながり、建物寿命が縮む原因になる。特に木造住宅では、構造材や断熱材が長時間湿り、腐食が進行すると強度や耐久性、断熱性能の低下を招く恐れがある。戸建住宅の劣化状況を診断するホームインスペクション(住宅診断)では壁内の雨漏りの有無を確認する検査を行うが、壁を破壊せずに内部を把握することは難しく、検査精度に課題があった。

 また、従来は、電圧を利用して壁の中の建材の誘電率を測定し、含水量を推定する「簡易水分計」が用いられてきた。一方で通気工法を採用した住宅では誘電率の低い空気層が影響し、実際より測定値が小さくなるため、壁内がぬれていても乾いていると誤判定されるケースも存在した。

 壁スキャナは、電磁波を壁内部に通し、通り方の変化から内部状態を調べる仕組みだ。建材は水を含むと、乾いているときと比較して電磁波の強さなどが変化し、この変化を読み取ることで壁を壊さずに含水状態を推定する。

 最大200ミリの壁厚に対応し、通気層工法の外壁も検査可能。測定面で含水率の高いエリアを赤色で可視化する。部材や含水率は任意で設定でき、構造用合板では含水率20%以上を赤色表示とする。金属探知や木材下地の探知機能も備え、買い取り販売物件など既存住宅の耐震診断や基礎内の鉄筋確認などにも活用を想定する。なお、金属や金属を含むシートが存在する場合は電磁波が遮られるため測定できない。

 本体サイズは230(縦)×310(横)×120(高さ)ミリで、重さ3.8キロ。電波法に適合し、電磁波周波数は200MHz〜4.2GHz。今後はグループ内で試験導入を進め、ユーザーの定期検査で利便性などを検証する。

試験壁での検査結果。含水率が高い位置は赤色で表示 出典:大和ハウス工業プレスリリース

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