TransRecogの図面チェック支援ツール「AxelaNote」が、三原市の実証実験に採択された。三原市でのデータ化した建築・土木図面のチェック運用を前提に、決裁時に図面を「視覚のみ」で確認せざるを得ず、紙媒体の“書き込み”ができない煩わしさを解消できるかを検証する。
東京都立大学発のAIスタートアップ企業TransRecog(トランスレコグ)は2026年2月2日、広島県が主催するオープンアクセラレーションプログラム「The Meet 広島オープンアクセラレーター」で、三原市での実証実験に採択されたと発表した。実証期間は2026年3月までを予定している。
実証では、図面PDFに書き込める図面チェック支援ツール「AxelaNote(アクセラノート)」を用いる。AxelaNoteはPDF原本を改変せず、注記を原本とは別の「注記レイヤー」として管理できるWindows用ツールだ。原本データの管理方針を保ちつつ、紙のように書き込みながら確認を進められる。
今回は、決裁時に図面を「視覚のみ」で確認せざるを得ず、紙媒体で可能な“書き込み”ができない煩わしさを解消できるかを検証する。データ化した建築・土木図面に、朱書きや付箋、スタンプなどの注記を重ねながら確認を進め、決裁や承認のプロセスとの親和性を検証する他、液晶タブレットやタブレットPCなどを用いた手書き入力の操作性も含めて、現場への定着性を確かめる。
また、図面の差し替えが生じた際にも、注記レイヤーの再適用(再重畳)機能を使用して、確認の手戻りや版管理の負担を軽減できるかを確認する。加えて、指摘の一覧化や履歴確認など、追跡できるチェック機能が意思決定の過程で有効かも試す。
実証のKPIでは、図面確認のやりとりや手戻りの削減を通じ、図面一式のチェック時間を30%以上削減することを設定した。実証開始前の現状把握と実証期間中の実績を比較し、定量的に評価する。
自治体業務のデジタル化が進む中、建築・土木図面でもデータ化した図面で確認する運用が一般化している。一方で、決裁プロセスでは図面を閲覧して確認することが中心となり、紙で確認していた頃のように、要点や懸念点をその場で書き込みながら整理することが難しいケースがある。書き込みながら確認できない状態は、確認観点の整理や指摘の伝達を難しくし、再確認や修正依頼の往復が増える要因にもなり得る。三原市では、データ図面での運用を維持しつつ、紙媒体の際にできていた書き込みをデジタル上で自然に再現し、決裁時の確認負担を減らせるかが課題となっている。
今後は、実証の成果をもとに三原市での本格導入を目指す。また、同様の課題を抱える全国の自治体、建設現場への展開も進める方針だ。
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