隅田川橋梁で国技館の四神を光で表現 パナソニックの光環境シミュレーションとVRを活用照明設計(2/3 ページ)

» 2025年11月19日 09時22分 公開
[川本鉄馬BUILT]

8.5メートルの球面ディスプレイで照明の見え方を検証

 隅田川橋梁は電車が走る橋梁のため、演出照明が電車の運行に悪影響を及ぼすことは許されない。森田氏は、「安全性の担保と演出の両立に、街をフルサイズに体験できるサイバードームが役立ち、現地での調整前に具体的なイメージがつかめた」とサイバードームでのVR体験を評価する。

 サイバードームは、内径8.5メートルの球面ディスプレイに映像を1分の1のリアルスケールで表示できる施設で、VR映像を複数人が同時に体験できる。今回のライトアップでは、橋に向けられた光が電車の運転手からどのように見えるかをサイバードームを使って確認した。

サイバードームのVR体験 サイバードームのVR体験
サイバードームは直径8.5メートルのドーム型ディスプレイにVR画像を投影。複数の関係者が同時に確認できるので合意形成に役立つ サイバードームは直径8.5メートルのドーム型ディスプレイにVR画像を投影。複数の関係者が同時に確認できるので合意形成に役立つ

 照明機器は、フルカラー再現が可能なRGBWの投光器(約42ワット)を使い、橋の柱部分の両サイドから光を照射している。メインの投光器は9度の狭角タイプだが、他に30度の広角タイプも採用。プロジェクトに携わったパナソニック EW社 ライティング事業部 エンジニアリングセンター 照明デザイン部 先崎綾華氏は、電車運転手への影響や周辺環境への光漏れ対策として「全ての投光器にフードを装着している」と解説する。

照射角9度の狭角タイプをメインに使用。電車の運転手や周辺への光漏れにも考慮 照射角9度の狭角タイプをメインに使用。電車の運転手や周辺への光漏れにも考慮 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

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