壁走行ロボやMRなど新技術で目指す“インフラ検査革命”「日本のインフラは日本の技術で守る!」メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(2/3 ページ)

» 2025年10月08日 19時22分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 「鉄測 EM-01A」は電磁誘導法の鉄筋探査機。電磁誘導方式では唯一の純国産機だ。直感的な操作性でかぶり厚さを高精度に測定できる他、業界最小の小型標準プローブにより壁際や狭い場所でも測定できる。橋梁(きょうりょう)上部や建築物の検査、コア抜きやアンカー位置の確認、耐震診断や施工管理など、幅広い場面で活躍が期待される。

電磁誘導法を用いた鉄筋探査機「鉄測 EM-01A」 電磁誘導法を用いた鉄筋探査機「鉄測 EM-01A」

壁走行ロボットとMR探査で、次世代探査技術への挑戦

 KGSは、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいる。その1つが壁面や天井面を走行しながら検査を行うロボット「iRadar Q-Ro」だ。電力中央研究所と千葉工業大学が共同で開発したコンクリート壁面移動ロボットに、計測技術サービスがADSPIRE01の組み込みを支援して一体化した。

 ブースでは壁面を走行するデモンストレーションに来場者が足を止め、その動きに見入る姿が目立った。現在も開発段階にあり、数年後の社会実装を目指しているという。

iRadar Q-Ro(右)。円形のボディー内部にADSPIRE01(左)を搭載して使用する iRadar Q-Ro(右)。円形のボディー内部にADSPIRE01(左)を搭載して使用する
iRadar Q-Roの壁面走行デモ。多くの来場者が壁面を走行する動きに惹きつけられた iRadar Q-Roの壁面走行デモ。多くの来場者が壁面を走行する動きに惹きつけられた

 一方、探査そのものの在り方を変える試みとして披露されたのが、MR(Mixed Reality)を活用した新世代の探査システム「iRadar Vision」。MRゴーグルを装着すると、埋設情報が正確な位置で平面的に表示され、走査ガイドによって測定シートを貼ることなく探査を始められる。3D点群座標上に基準を確定する仕組みを採用し、画像マーカーを用いるARに比べ、より高精度な位置表示が可能だ。

 ブース担当者は、「新技術の開発を通じ、日本の探査技術のさらなる進化を目指している」と話した。

MRゴーグルの例。「iRadar Vision」使用時には、こうしたデバイスを着用する MRゴーグルの例。「iRadar Vision」使用時には、こうしたデバイスを着用する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
あなたにおすすめの記事PR