ワールドコーポレーションとスカイマティクスは、現場実装型のDX人材育成とドローン測量サービス「くみき」を掛け合わせ、現場起点のDX人材を育成するべく、戦略的業務提携を締結した。ドローン測量や点群処理のスキルを習得した人材の派遣で、現場の人手不足解消だけでなく、くみきの導入支援にもつなげる。
ナレルグループのグループ会社ワールドコーポレーションと、スカイマティクスは2025年9月25日、建設DX人材とドローン測量サービス「くみき」を組み合わせ、建設現場における生産性向上を加速させるための戦略的業務提携を締結したと明らかにした。
ワールドコーポレーションは、建築/土木/プラントをはじめとする幅広い建設領域で、顧客のニーズに合わせて3500人を超える技術者を派遣している人材派遣会社。建設業界のDXや現場作業の生産性向上と効率化を目指し、DX人材育成にも力を入れている。しかし、全国の現場で多様なニーズに応えるには、在籍しているDX人材の人数、活用できるデジタルツールの幅などに課題があった。
スカイマティクスは、衛星データやAI技術を活用した産業用リモートセンシング技術を軸に、クラウド型ドローン測量サービス「くみき」などを開発し、建設や林業、防災、インフラなど累計5万現場でリモートセンシングサービスを提供してきた。
また、くみきを完全オンラインで実践的に習得できる育成研修「くみきトレ」も2025年1月にリリース。以降は、土木実践学習システムとして、さまざまな企業に導入されている半面、限られた社内リソースの中で現場へ浸透していく方法も模索していた。
両社の提携で、ワールドコーポレーションの技術者が、くみきトレを受講することにより、ドローン測量や点群処理スキルを習得し、現場起点のDX人材として土木現場で活躍できる人材が育つ。習得できるデジタルツールの幅も広がり、現場即戦力となるDX人材が増えることで、現場のDX推進と人手不足の解決にもつながる。
また、くみきトレを受講したDX人材を土木現場に派遣し、くみきを導入しているユーザーには活用支援、未導入または導入を検討中の企業には導入支援と導入後の活用を促し、スカイマティクスはくみき利用機会の提案とサービス認知の向上が図れるとしている。
ナレルグループ 専務取締役 柴田直樹氏は、「当社では建設現場での生産性向上の実現に向け、いち早くDXを進めるべく、建設DX推進事業部を立ち上げ、さまざまなデジタルツールを取り扱えるDX人材の育成や配属に取り組んできた。本提携により、くみきという新たな付加価値を持つDX人材を育成し、建設業界に輩出していく。多様なニーズに応えていくとともに、現場でのくみき活用を進め、人材とテクノロジーを融合した新たなサービスで、建設業界のDXをけん引していく」とコメントを寄せる。
スカイマティクス 代表取締役社長 渡邉善太郎氏は、「ナレルグループの技術者派遣やDX人材育成サービスは、業界の課題やニーズに寄り添ったもので、厚い支持を得ている。そこに当社が提供する『くみき』や『くみきトレ』を組み合わせることで、両社の強みを最大限に発揮し、建設現場のDX活用定着を力強く支援できる体制を築いていきたい」と抱負を語る。
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