MetaMoJiの施工管理アプリ「eYACHO」が約4年ぶりにメジャーバージョンアップした。発売10周年の節目となる今回の刷新では、工事写真管理の自動化や計測機器「BLuE」連携、生成AIによるヘルプなどを実装した他、安全AIソリューションを強化。大手から中小企業まで幅広いユーザーのDX推進を後押しする。
MetaMoJiは2025年9月9日、建設現場向け施工管理支援アプリの最新版「eYACHO(イーヤチョー) for Business 7」(以下、eYACHO 7)の提供を開始した。2015年の発売から10周年の節目で実施する約4年ぶりのメジャーバージョンアップで、工事写真管理や計測機器との連携、生成AIを活用したヘルプ機能などを新たに搭載した。
eYACHOは、紙の野帳をデジタル化する現場ツールとして2015年にMetaMoJiと大林組が共同開発した。タブレット上の写真や図面に手書きで書き込みができ、デジタル機器に不慣れな担当者でも直感的に操作できる点が特徴だ。導入企業は2024年度までに約600社に達した。このうち地場の建設業が75%を占めるなど、最近は地方の中小建設業への普及が進んでいる。
2025年7月に都内で開催した説明会で、代表取締役社長 浮川和宣氏は「10周年の節目を迎え、これまでの年月の重みと、多くの皆様への感謝を改めて感じている。今回のメジャーバージョンアップでは、日々の業務に根差した使いやすさに加え、AIを取り入れた新たな価値を提供する。“考える現場”を支え、次の10年も皆様とともに進化を続けたい」と強調した。
eYACHO 7の新機能の1つが工事写真管理の自動化だ。撮影画像を撮影日や工種/場所といった区分、電子黒板に入力された情報に基づいて整理し、ノート内で一覧表示できる。提出する画像だけを指定して工事写真帳を生成し、PDFやZIP形式で出力できるため、手間のかかっていた台帳作成をアプリ内で完結できる。
さらに、関電工の計測記録支援アプリ「BLuE」と連携し、絶縁抵抗計や騒音計、温湿度計など多様な機器からの測定値を帳票に直接反映できるようになった。転記作業が不要となったことで、検査報告の効率化と転記ミスの防止につながる。
また、eYACHOに関する質問を自然文で入力するとAIが適切な回答を提示する「AIヘルプ」を追加。社内にデジタル技術に精通した担当者がいない中小の建設会社などでも、eYACHOを使いこなせるように支援する。
現場配置図や安全指示などの情報をワンタップで電子掲示板に反映できる「デジタルサイネージ連携」も搭載。現場での情報共有と安全意識の向上が可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.