ダイドーは、関電工、ニシヤマと共同で、配電工事に特化した「複合動作アシストスーツ」を開発した。ダイドーの持つアシストスーツ技術と、関電工が持つ配電工事現場の深い知見を融合させ、腕の「上げ下げ」「ひねり」「曲げ伸ばし」の3つの動きを独自の非電動/機械式機構で、統合的にアシストする。
ダイドーは2025年8月29日、関電工やニシヤマと共同で、配電工事に特化した「複合動作アシストスーツ」を開発したと発表した。単一動作のスーツと異なり、腕の上げ下げやひねり(外旋)、曲げ伸ばし(伸屈)といった複合的な動きを統合的に補助する非電動機構を採用している。
ショックコードや巻きばね、ねじりばねなどを用いた非電動構造のため、電力供給が難しい屋外作業現場でも使用可能だ。本体重量は約2.5キロと軽量で、ホットスティック(絶縁操作棒)の操作や張線、支持腕金の取り付けなど、これまでアシストが困難だった複合的な動作をサポートする。
アシスト力は、腕の上下動で14.7〜29.4N(1.5〜3.0キロ重)、外旋で24.5N(2.5キロ重)、肘の伸屈で12.0N(1.2キロ重)。
東京電機大学と共同でモーションキャプチャーや電位計測による実証を実施したところ、特に経験の浅い若手作業員が効率的かつ疲労を抑えたフォームを維持できると判明した。作業時の筋活動のばらつきを抑制するため、熟練者が自然に行う動作パターンの早期習得を支援する効果も期待できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.