少子高齢化で労働力不足が深刻化する日本で、現場を支える有効なサポートギアとして期待される「アシストスーツ」。「第11回 労働安全衛生展」では、アシストスーツの認知度向上や市場形成を目的に2022年に発足した「アシストスーツ協会」が出展し、8社の最新モデルを着用できる展示が好評を博した。
着用することで作業効率を向上させるサポートギアとして期待される「アシストスーツ」。「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024」と同時開催の「第11回 労働安全衛生展」(会期:2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)では、アシストスーツ協会のブースに8社の最新モデルを一堂に展示し、試着した来場者からは「思っていたより軽い」「装着が簡単」など驚きの声が上がっていた。
アシストスーツとは、身体に着用することで運動や静止時にかかる身体の負荷を軽減し、作業効率を高めるサポートギアのこと。作業動作による腰や肩、膝といった部位への負担を軽減するため、重作業や長時間作業が求められる現場での導入が進んでいる。
対象業種は建設業にとどまらず、農業、製造業、食品加工、漁業、インフラ整備といった分野でも拡大しており、少子高齢化で労働力不足が深刻化する日本で、現場を支える有効な手段として注目を集めている。
こうした動向を背景に、アシストスーツの認知度向上、市場形成、啓発活動を目的に2022年に任意団体として発足し、翌2023年に一般社団法人化されたのがアシストスーツ協会だ。
今回のブースでは、8社のアシストスーツを中央の円柱パネルを囲むように円状に配置し、製品を実際に装着して体験できる展示となっていた。
ブース責任者は今回の展示の意図を「体験できること」「比較できること」の2点だと説明する。
アシストスーツは、見た目だけでは性能やフィット感が伝わりにくいため、来場者がその場で装着し、荷物を持ち上げたり、かがんだりといった動作を通じて違いを体感することが重要となる。
従来の展示会でも体験はできたが、業種ごとに企業が分かれて出展するため、医療系展示会には医療用に強みをもつスーツを扱う企業のみが参加し、他分野の製品と比較することは難しかった。「記憶を頼りに別の展示会の体験を思い出して比較するのは難しい。今回のように一度に複数製品を試して、その場で使い勝手を比較できる展示形式は、導入を検討する企業にとって有効な機会になる」とブース責任者は、その効果に期待を示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.