三菱電機は、香川県丸亀市の受配電システム製作所に新工場棟を建設する。2026年6月の完成予定で、稼働後は大容量電力を使用する施設の電力配電系統に用いる「キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)」を生産ラインを1カ所に集約して、従来比2倍の年間生産台数を目指す。
三菱電機は2025年8月7日、キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の生産体制強化のために約28億円を投じ、香川県丸亀市の受配電システム製作所に新工場棟を建設すると発表した。2026年6月に竣工し、2026年10月から稼働を開始する。
新工場棟の計画地は、香川県丸亀市蓬莱町8番地の受配電システム製作所内。建物の構造と規模は鉄骨造2階建て、建築面積約6299平方メートル、延べ床面積約6885平方メートル。省エネ対策では太陽光発電装置、高効率機器(LED照明、パッケージエアコン、熱交換形換気機器)、断熱屋根/外壁、Low-E複層ガラス、電力監視装置を導入する。
主な生産品目は7.2〜84kVのC-GIS、洋上風力向けC-GIS、その他に洋上風力向けC-GISのドライエア絶縁方式の新機種を開発する。
C-GISは、大容量電力を使用する施設内の電力配電系統に用いる機器。電流を開閉できる真空バルブを搭載し、事故が生じた際に電流を遮断/保護/制御する高電圧向けの配電盤。近年、データセンターなど大容量電力が必要な施設の増加に伴い、国内外で需要が拡大している。
三菱電機は今回、開閉装置や遮断器の製造を担う受配電システム製作所に新工場棟を建設し、2027年度までにC-GISの年間生産台数で従来比2倍を目指す。
新工場棟では、複数エリアに点在していたC-GIS生産/試験ラインを集約し、部材受入から製造、出荷までの生産工程の効率化を図る。生産ラインでは、C-GIS内への絶縁ガス充填作業時間を短縮する自動化ラインを導入し、ガス充填時間を約40%削減して、生産性を向上する。
また、これまでC-GISの主な適用先であった変電所や駅、ビルなどの施設に加え、再生可能エネルギーの1つとして海外を中心に注目を集めている洋上風力発電に対応したC-GISの生産拡大も進める。
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