インタビュー後、両者の女性社員によるグループディスカッションを実施した。テーマは「熱中症対策」「安全対策」「女性ならではの悩み」の3つ。
熱中症対策では、NTTフィールドテクノが導入している“水を入れて冷却するベスト”が話題に。屋外作業が多い奥村組の参加者から「ぜひ現場でも取り入れたい」との声が上がった。
安全対策では、1人作業の有無が両社で異なることに驚きの声も。NTTフィールドテクノでは単独で個人宅訪問を行うことが日常的だが、奥村組では原則2人以上で作業する体制が取られており、「1人で現場に出るのは怖い」との声も聞かれた。支給品が所属部署によって異なる点については、「同じ会社なのに現場ごとに支援の差があるのはおかしい」との問題提起があり、見直す必要性を共有した。
他にも、「体調不良時の休暇申請が周囲に見える形で表示されるのがつらい」「生理休暇は制度としてあるが、利用しづらい空気がある」といった悩みも率直に語られた。参加者の1人は「制度があっても、使えなければ意味がない。声を上げにくい職場の空気を変えていくことが必要だ」と発言し、多くの共感を呼んだ。
グループごとの発表では、以下のような意見を共有した。
こうした意見が共感とともに広がったのが、今回のディスカッションの大きな意義だったように筆者は思う。
今回の意見交換会では「制度」だけでなく、「空気」や「理解」が女性活躍の鍵を握ることが再確認された。現場課題に対しては、「気づいた人が声を上げて変えていく」ことの大切さと、その声を「拾って制度に反映する企業姿勢」が求められることが示された。
閉会あいさつでは、奥村組 ダイバーシティー推進部 小林氏が「女性社員だけでなく、男性管理職への教育や情報共有も欠かせない。今日の学びを持ち帰り、明日からの現場で実践していくことが大切だ」と呼びかけた。
業種を越えた交流が、一過性のイベントに終わらず、今後の連携や変革につながることを期待したい。
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