パナソニック エレクトリックワークス社とugoは、スマートビルでのロボット活用を想定し、ビーコン付き照明設備との連携による運用効率化の検証を開始した。照明の位置情報を利用してロボットが自己位置を再認識し、単独で再稼働できる仕組みを構築する。
パナソニック エレクトリックワークス社と警備/点検向けロボットを展開するugo(ユーゴー)は2025年10月9日、パナソニック EW社のR&D拠点「SHIOMER(シオメル)」でサービスロボットの運用効率化を目指すオフィス検証を実施した。
スマートビルでのロボット活用を見据え、ビーコン付き照明設備と連携させることで、ロボットが自己位置を見失っても単独で再稼働できる仕組みを構築する。点検/警備/対人サービスなど、ビル管理業務でのユースケースも検討する。
少子高齢化による人手不足やカーボンニュートラル対応などの社会課題に対し、AI/IoT技術やデータを活用してビル機能を高度化するスマートビルの普及が期待されている。2025年4月には業界団体「スマートビルディング共創機構」が発足し、共通規格やデータ活用の標準化が始まった。
パナソニックとugoは、2023年度のアクセラレータープログラム「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」で「業務DXロボットugoと設備システム連携による建物DXの実現」に取り組んで以来、建物でのロボット導入と運用課題の整理を進めてきた。
両社が課題と捉えたのは、ロボットの自己位置管理の仕組みだ。従来の自走式ロボットが建物内で自己位置を特定する際は、SLAM(自己位置推定と地図作成を同時に行う技術)を用いて周囲環境をセンサーで読み取り、充電器などのホームポジションを基準に相対的な位置を判断していた。しかし位置情報をロボット自身が管理するため、トラブルや人手による移動で現在位置を見失うと、担当者が現場まで行き、初期位置に戻して再起動させる必要があった。
また、複数ベンダーのロボットが同一フロアを走行する場合、互いに位置情報を共有する仕組みがなく、鉢合わせやスタックを防ぐためにフロアマップの共通化が求められていた。
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