政府は首相官邸で「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」を開催した。会合には建設テック事業者を中心とした6社から成る建設DX研究所が出席し、中小建設事業者へのDX導入支援などについて訴えた。岸田文雄首相は会合での議論を踏まえ、人手不足の解消に効果のあるIoTやロボットなどの汎用製品の導入を支援する「中小企業省力化投資補助事業」について、建設DX関連の製品も追加するよう国土交通省などに指示した。
政府は2024年5月30日、首相官邸で「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」を開催し、全国的に国内投資を拡大していくための方策や、設備投資の制約要因への対応などについて意見交換を行った。岸田文雄首相は会合での議論を踏まえ、2024年6月から受け付けを開始する「中小企業省力化投資補助事業」について、建設DX関連の製品も追加するよう国土交通省などに指示した。
岸田首相は「2024年度の国内投資は30年ぶりに100兆円にまで拡大する見込み。2027年115兆円という目標を官民連携で必ず達成できるようにしたい」と述べ、「人手不足への対応は待ったなしの状況にある。成長型経済実現のためには、業種内や業種間での人の奪い合いではなく、生産性向上による拡大均衡を通じて人手不足を解消していくことが必要だ。AIやロボットなどの革新的技術の開発や活用を促す規制/制度改革を進めると同時に、足元から、既にある良い技術や取り組みを普及させていく」と強調。「特に設備投資の基盤となる建設業については、経済産業省と国交省が連携して、中小企業省力化投資補助事業の製品カタログに建設DX関係の製品も追加し、支援していくこと」を指示した。
中小企業省力化投資補助事業は、中小企業などの売り上げ拡大や生産性の向上を支援するため、人手不足の解消に効果のあるIoTやロボットなどの汎用製品の導入を補助する事業。簡易で即効性がある省力化投資を推進し、生産性向上に加え賃上げにつなげることを目的としている。補助の対象は「省力化製品カタログ」に掲載された製品で、カテゴリーは現在、清掃ロボットや配膳ロボット、自動倉庫、無人搬送車(AGV/AMR)など12件。補助金額は従業員数によって異なるが、最大で1500万円で、補助率は2分の1以下。
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