車両走行実験では、約20トンのダンプトラックが走行した際、高機能化路版の隙間の変動幅は2.0ミリ以内で、設計値の4.0ミリ以内に収まった。段差の変動は97%のデータが、インターロッキングブロックの車道で、維持管理の基準値となる5.0ミリ以内に抑えられた。
通常のインターロッキングブロック施工時は、敷砂下の地盤や職人の習熟度による影響が左右し、基準値内に施工するのに調整を要する。マルチペイブはゴム付き連結版に固定する構造上、段差が生じにくい。
また、高機能化路版の取外しから再設置までの交換作業時間を測定した結果、約5分(取り外し3.7分、再設置1.3分)で完了し、優れた施工性を確認した。
ドライバーからの視認性は、夕方に計測し、低仰角2度の見え方を検証。埋設型や路上型の道路鋲と同等の発光度合いとなった。
排水性は、時間雨量100ミリを想定して注水したところ、約8分後に注水量と排水量がほぼ均衡。狙い通りの排水機能を有することが証明された。
粕谷氏は今後の展開について、施工期間がアスファルトの5倍、コストも材料の違いで増すため、「公道に近い環境下で1〜2年は実証実験を重ね、3年後の実用化を目指す。その後、事故防止で理解の得られる自治体に、見学などを通じて高機能横断歩道として提案していく」と口にした。
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