交通事故防止の機能では、横断歩道入口の地面に埋めたIoTセンサーが歩行者や自転車の重さを検知。給電スイッチが作動するとLEDが発光して、40メートル先のドライバーに知らせる。LEDの発光角度は反射や屈折を利用し、低仰角で目線高さ1.2メートルの運転手に最も強い光が届くように計算している。
既存のLEDを設置した路版は通常、アスファルト下に配線を敷設している。今回は路版内の側壁間に送受電コイルを配置し、磁界を介して電力を伝送するワイヤレス給電で、LEDを点灯させる仕組み。
透水/排水機能は、路版の表層を30ミリのポーラスコンクリート、下層に100ミリの密実コンクリートの構造とし、時間雨量100ミリ程度の降雨でも連結板の横溝を通って排水する。道路勾配は不要で冠水の原因となる水たまりもできない。敷砂まで雨水が到達しないので、砂が流出せず長期間にわたり耐久性が保てる。
技術研究所のモックアップは、LED設置の路版6枚、透水性の路版12枚、普通路版30枚から成り、プレキャストコンクリート3枚も含めると全体で3.9(幅)×6.6(奥行き)メートルのサイズ。最初にU字溝、強化ブロック、今回の高機能版、周辺のアスファルト舗装の順で施工した。路面の下は鋼矢板22枚を打ち込み、コンクリートと土で透水性や排水性をそれぞれ比較できるように地下空間を確保した。
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