名古屋鉄道など4社が共同で推進するAI画像解析を活用した踏切監視システムの導入が、51カ所に拡大した。名古屋本線や常滑線など11路線に設置し、緊急輸送道路との交差踏切では8割の導入率を達成している。
名古屋鉄道など4社は2025年5月21日、AI画像解析を活用した踏切監視システムの導入実績が50カ所を超えたと発表した。名古屋本線や常滑線など11路線51カ所で設置を完了し、緊急輸送道路との交差踏切では導入率が8割に達している。
踏切監視システムは、名古屋鉄道、名鉄EIエンジニア、トヨタシステムズ、東邦電機工業の4社共同で、2023年11月10日から本格運用を開始した。運用開始以来、大きな不具合は発生しておらず、従来の障害物検知装置との併設箇所で比較したところ、異常検知数は約3倍に向上している。
踏切監視システムは、踏切道を通る人や車両をAI画像解析で判別し、列車接近時の人や車両の滞留といった危険な状況を検知する仕組みだ。従来の装置が踏切内の物体の有無のみを判別していたのに対し、AI画像解析技術を活用して踏切周囲も含む映像から人や車両の動きを検出/解析することで、異常検知の性能を高めている。事故の予兆を検知した際は列車乗務員に速やかに情報を伝達し、踏切事故防止につなげる。
国土交通省によると、全国では年間約200件の踏切事故が発生し、死傷者数は100人を上回る。踏切事故は列車の運休や遅延を伴うなど社会的な影響も大きいため、AI技術を活用して事故を未然に防止することで、踏切の安全性向上を目指す。
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