長谷工コーポレーションは、マンションの未来体験スペース「H/DTL」を開設した。長谷工版BIMをベースとしたデジタル技術を活用し、次世代のマンション販売、商品展示、設計、生産手法を創造/発信していく。
長谷工コーポレーションは2025年5月19日、次世代のマンションの販売、設計・施工を体感できる未来体験スペース「H/DTL(長谷工デジタルテクノロジーラボ)」を、東京都内のデベロッパー向けプレゼンテーション施設「LIPS」内に開設したと発表した。
長谷工コーポレーションは累計71万戸超のマンション施工実績を持ち、2020年には設計段階、2021年には施工段階で完全なBIM体制を確立。BIMで実施設計を行った物件は10万戸を超える 。
H/DTLでは、長谷工版BIMをベースにしたデジタル技術を活用し、リアルとバーチャルを融合させた新たなマンションの販売、商品展示、設計、生産手法を創造/発信していく。
施設内の「VRシアター」では、2.7メートル×8メートルの超高解像度LEDディスプレイにBIMモデルを投影し、高精度な色彩表現によって、画面上で材料の色決めまで可能にした。「バーチャルラボ」にはヘッドマウントディスプレイ8台を常設し、1/5スケールの俯瞰視点と、1/1スケールのVR視点を切り替えて仮想住宅を体感できる 。
「提案型モデルルーム」では、実物のモデルルーム空間にAR/MR映像を重ねて投影する販売手法を紹介。タブレットとAI botを組み合わせたARの商品紹介コンテンツも展示する。「フィジカルラボ」では、3Dプリンタやレーザーカッターを活用し、デジタル設計データをモックアップ化。実物ならではの直感的な検討を支援する。
施設の開設に伴い、長谷工コーポレーションは「BIMデジタルツインプラットフォーム」の構築にも着手した。長谷工版BIMと膨大なデータベースを統合し、メタバースを活用した新たな販売手法の展開を図る。将来はマンションの維持管理やエンドユーザー向けサービスへの応用も視野に入れている 。
長谷工グループは設計・施工にとどまらず、マンション販売や管理/修繕までマンション事業のDXを推進し、デジタル技術を駆使した価値創造に取り組んでいく。
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