BFCCU研究会は、セメント代替として高炉スラグ微粉末を使用した環境配慮型コンクリート「CELBIC」に再生骨材を組み合わせた「CELBIC-RA」を開発した。
五洋建設など13社で構成するBFCCU研究会は2025年2月6日、環境配慮型コンクリート「CELBIC(セルビック)」の新製品として、再生骨材を使用した「CELBIC-RA(セルビック アールエー)」を開発したと発表した。一般的なコンクリートと比較して、CO2排出量を最大70%程度削減する。
BFCCU研究会では実機実験を通じてCELBIC-RAの製造と品質管理手法を確立。構造体コンクリートとしての性能も確認した。
CELBICはセメント代替として高炉スラグ微粉末を使用したコンクリートで、建築コンクリート構造物に求められる品質を確保しながら、コンクリート材料に由来するCO2排出量を約9〜63%削減できる。
新開発のCELBIC-RAは、結合材の70%に高炉スラグ微粉末を使用したCELBICに、コンクリート塊を主な原料とする再生骨材を組み合わせたもの。骨材にはCO2と反応するセメントペーストが含まれており、製造から保管までの工程を通じてCO2を固定する。CELBIC-RAではセメントペーストの量が比較的多い再生骨材Mや再生骨材Lを採用することで、骨材製造時のエネルギー投入量を抑制しつつ、より多くのCO2を固定できる。
製造には高炉スラグ微粉末と再生骨材を大量に使用することから、建築工事標準仕様書/同解説JASS5鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)の環境性評価では、「資源循環等級3」と「低炭素等級3」に該当。また、JISA5022に規定されている「再生骨材コンクリートM」にも該当し、場所打ち杭や基礎などの建築構造物への適用が可能だ。
BFCCU研究会は、五洋建設、青木あすなろ建設、淺沼組、安藤ハザマ、奥村組、熊谷組、鴻池組、鉄建建設、東急建設、東京テクノ、東洋建設、長谷工コーポレーション、矢作建設工業の13社で構成。研究会はサプライチェーン全体のCO2排出量削減や資源循環の有効活用に取り組んでおり、各社は今後、CELBIC-RAの実現場での普及と展開を図る。
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