建設用3Dプリンタが「常識」になる時代 国産Polyuseが海外製よりも導入が広がる理由第9回 JAPAN BUILD TOKYO(3/3 ページ)

» 2025年04月30日 12時32分 公開
[川本鉄馬BUILT]
前のページへ 1|2|3       

可搬性に優れるPolyuseの3Dプリンタ

 Polyuseの3Dプリンタは3年ほど前に公共工事にも採用され、その後も実績を重ねている。運搬性や可搬性に優れ、工場内での利用以外にも、工事現場や現場近くに設置して3Dプリンティング可能なメリットがある。大岡氏は、3Dプリンティングの実例として、階段、マンションの外構、公園のインターロッキングと水飲み場などを紹介した。

 階段制作では、コンクリート階段を従来工法で作ると、型枠を組むのが大変だった。しかし、3Dプリンタでは型枠が要らない。その結果、工期を7割強短縮した。

和歌山県での階段制作の例 和歌山県での階段制作の例

 東京都の池袋周辺でマンション外構に3Dプリンタを活用した例では、天候などの影響で引き渡し日が迫り、型枠を組んでいたのでは工期が難しくなった。そこで3Dプリンタを用い、解決した。

マンション外構に3Dプリンタを活用した例 マンション外構に3Dプリンタを活用した例
公園の整備事業。インターロッキングブロックの他、複雑な形状の水飲み場も制作 公園の整備事業。インターロッキングブロックの他、複雑な形状の水飲み場も制作

 Polyuseの3Dプリンタは、2022年に建築基準法に準拠した建造物の建設で使われた。建築部材を作成する工程で3Dプリンタを利用したケースで、構造としては鉄骨造となる。大岡氏は、将来は構造部分でも3Dプリンタが使えるように、建築学会や国交省 住宅局などと一緒に協議していく計画を明かした。

公共/民間の土木工事で活用されているPolyuseの3Dプリンタ 公共/民間の土木工事で活用されているPolyuseの3Dプリンタ
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.