鹿島建設や出光興産などは、山形県酒田市の商業施設「いろは蔵パーク」にCO2を吸収したコンクリートブロックなどのカーボンリサイクル製品を導入した。
鹿島建設は2025年3月26日、いろは蔵パーク、出光興産、前田製管、酒井鈴木工業、カーボンリサイクルファンドと共同で、山形県酒田市に新設された商業施設「いろは蔵パーク」に、カーボンリサイクル製品や関連技術を導入したと発表した。
鹿島建設と前田製管は、CO2吸収コンクリート「CO2-SUICOM(シーオーツースイコム)」を使用したコンクリートブロックを敷設した。CO2-SUICOMはセメントの一部を特殊な混和材「γ-C2S(ガンマシーツーエス)」などに置き換えることで製造時のCO2排出を抑制。さらに炭酸化養生の工程を加え、コンクリートが固まる過程でCO2を吸収/固定する。カーボンネガティブ型の「CO2-SUICOM(P)」、カーボン低減型の「CO2-SUICOM(E)」の2種類のグレードを展開し、今回はCO2-SUICOM(E)を適用した。
出光興産と酒井鈴木工業は、出光興産の製品「カルカーボ」をアスファルト合材の充填材(フィラー)として採用した。カルカーボはボイラー排ガス中のCO2を、産業副産物であるコンクリートスラッジ中のカルシウムと反応させて固定化した合成炭酸カルシウム(炭酸塩)で、土木建設材料や化学品などに活用できる。
いろは蔵パークは、江戸時代から明治時代にかけて酒田市の交易を支えた米蔵「新井田蔵(通称いろは蔵)」の名にちなむ商業施設。S造平屋建て、高さは6.67メートル。敷地面積は2万1375.99平方メートル、建築面積は7260.45平方メートル(A棟:4316.39平方メートル、B棟:2944.06平方メートル)。2025年3月27日には一部店舗がオープンした。
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