スギCLTの木目を生かして難燃化を実現する準不燃材料、竹中工務店木造/木質化

竹中工務店など4社は共同で、スギ由来の木質パネル「CLT」に透明度と耐久性に優れた難燃化塗料を塗布した内装向け準不燃材料を開発した。既に準不燃材料の国土交通大臣認定を取得し、従来の塗料では難しかった木目を長期間きれいに見せることが可能になり、天井や壁の仕上げに使える。

» 2025年02月17日 10時00分 公開
[BUILT]

 竹中工務店、カシュー、長瀬産業、ナガセケミカルは、スギのCLT(Cross Laminated Timber)に透明度と耐久性に優れた難燃化塗料を塗布した内装向けの準不燃材料を開発し、準不燃材料の国土交通大臣認定を取得したと2025年1月15日に公表した。認定取得により、建築基準法の内装制限を受ける室内の天井や壁で、スギCLT表面の木目が見える温かみのあるデザイン性の高い空間が実現する。

内装制限を受ける室内の天井や壁に透明で木目の現わしが可能に

スギCLTを天井や壁の仕上げに適用した内観イメージ スギCLTを天井や壁の仕上げに適用した内観イメージ 出典:竹中工務店プレスリリース

 可燃物の木材を内装材として壁や天井に使う場合、建築基準法の内装制限に適合させなければならない。その方法の一つに、木材表面への難燃化塗料の塗装があるが、従来の塗料に含まれる無機系難燃剤は透明性が低下し、木目を長期間きれいに見せられなかった。

 今回開発した準不燃材料は、スギCLTの表面に透明度と耐久性に優れた難燃化塗料を3層にわたって塗装する。熱が加わると2層目の水ガラス系塗料が発泡し、防火性能を発揮。今回はスギCLTに塗装することで、準不燃材料の国土交通大臣認定を取得している。

3層から成る塗装概要 3層から成る塗装概要 出典:竹中工務店プレスリリース

 塗料自体は、無機系難燃剤を含まない水ガラス系塗料を用い、従来の難燃化塗料と比べて透明性が高い。さらに木材と塗膜の追従性を高める下塗り塗料と、耐水性に優れた上塗り塗料を組み合わせ、耐久性も改善している。スギCLTに塗布すると、高い透明性と耐久性を有しながら、難燃性も兼ね備える準不燃材料となる。準不燃材料にするための塗装は、工場だけではなく建設現場でも施工できる。

今回の難燃化塗料を塗装する前後のスギCLT 今回の難燃化塗料を塗装する前後のスギCLT 出典:竹中工務店プレスリリース

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