大林組は、BIMモデリングルール「Smart BIM Standard(SBS)」において、設備設計分野のモデリングルールを一般公開した。
大林組は2025年1月15日、大林組のBIMモデリングルール「Smart BIM Standard(SBS)」において、設備設計分野のBIMモデリングルール(設備SBS)を一般公開したと発表した。
SBSは「情報の一貫利用を目指し、関係者が等しく理解できるデータをつくるための基準」として、大林組が策定した社内ルール。建設業界と関連事業者のBIMの活用推進を目的に、2023年1月にSBSサイトを開設した。建築分野のモデリングルール(建築SBS)や、部材データ(ファミリ)などのコンテンツを社外公開し、開設から2025年1月までに各コンテンツのダウンロード数は延べ3万件を超えている。
今回、建物の機能に関する電気や給排水、空調などの設備設計分野でもモデリングルールを公開することで、設備設計/施工関係者をはじめ、業界の垣根を越えたBIM活用に向けた議論の活性化を目指す。
新たに公開したページでは、設備SBSのコンセプトを解説する「一般公開ページ」と、丸紅アークログのArch-LOGサービスを活用したファミリ、テンプレート、マニュアルなどの「ダウンロードページ」から成る。
設備SBSの策定では、大林組のBIM利用方針に加え、Revitユーザー会やBIMライブラリ技術研究組合、building SMART JapanといったBIMの標準化や情報交流を行う団体の動向も考慮した。また、BIMに集約される情報を活用して、空調衛生設備と電気設備などのデータ連携、機器の仕様情報のリスト連携、諸元表や計算書への情報連携も順次進める方針だ。
BIMの一貫利用により、建設プロセス関係者との情報伝達の合理化や迅速な意思決定、折衝時間の短縮など生産性の向上が期待される。さらに、新築や改修時のエネルギー効率の最適化によるカーボンニュートラルへの貢献、建物管理での設備情報の取得効率化による建物管理者の生産性向上、顧客満足度の向上も見込まれる。
大林組は、SBSの公開を通じてBIMモデル標準化に取り組み、計画から設計、施工、施工管理、完成後の維持管理を含めた業界横断的なBIMの一貫利用を推進することで、建設プロセスの生産性向上を図る。
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