物流会社のセンコーと、住宅メーカーの旭化成ホームズ、積水化学工業 住宅カンパニー、積水ハウスは、「住宅物流4社協議会」を発足し、住宅物流で協業する。全国7エリア29カ所の物流拠点と車両の共同利用や部材の共同購買/共同輸送などの取り組みより、2025年までにドライバーの運転時間約1万7000時間削減を目指す。
物流会社のセンコーと、住宅メーカーの旭化成ホームズ、積水化学工業 住宅カンパニー、積水ハウスは2024年12月16日、「住宅物流4社協議会」を発足し、住宅物流で協業すると発表した。
4社は共同で(1)全国7エリア29カ所の物流拠点と車両の共同利用、(2)部材の共同購買/共同輸送、(3)車両の大型化と各社拠点の中継輸送による配送効率向上、(4)EVやリニューアブルディーゼル車両を利用した輸送CO2排出量削減の4つの施策に取り組み、物流効率化と脱炭素社会への貢献を目指す。これらの取り組みにより、2025年までにドライバーの運転時間約1万7000時間(トラック2160台分)、輸送CO2排出量約500トンの削減を目指す。
物流拠点と車両の共同利用の取り組みでは、住宅メーカー3社の全国7エリア29拠点に点在する輸送拠点とトラックを共同利用。繁閑差を補完しながら効率的で安定的な物流網の構築を目指す。7エリアは主に主要都市部に所在しており、共同利用を行うことで、より施工現場に近い拠点を利用して、施工現場までの効率的な配送ができるようになる。また、少量の荷物を取り扱う拠点の統合や、全社の拠点をつないで効率的な管理ができるシステムの導入も検討し、全国的な展開を進める計画だ。
既に、東北エリアでは2024年7月に東北セキスイハイム工業と積水ハウス東北工場の2拠点で4台、中部エリアでは2024年7〜9月にセキスイハイム工業中部事業所と積水ハウス静岡工場の2拠点で150台の車両の共同利用を開始した。
部材メーカーからの共同購入/共同輸送の取り組みでは、通常は各社で車両を手配する同一メーカーからの住宅部材輸送に対し、3社の荷物をまとめて車両を共同手配する。これにより、積載効率を向上させて輸送力を強化し、トラック台数の削減を目指す。共同配送を増やすために3社による共同購買も促進。運転時間削減率5%、輸送CO2排出量削減率5%を見込んでいる。
また、長距離の幹線輸送で10トン車2台分を1編成とした大型車両「ダブル連結トラック」を導入。2台分の貨物をドライバー1人で配送し、運転人数を半減する。さらに、2024年7月に開設し、今後複数エリアでオープン予定のセンコー保有の中継拠点「TSUNAGU STATION」を、トレーラーの交換やドライバーの乗り替わり場所として活用し、配送効率の向上と長距離運転の抑制を図る。これに加え、2024年12月からは順次、各社の物流拠点を結ぶ中継輸送ルートを拡張。ドライバー運転時間の約45%削減と、輸送CO2排出量の約35%削減を目指す。
環境配慮の取り組みとして、軽油に代わる燃料導入の有用性を検証するため、EVや軽油代替燃料で走行するリニューアブルディーセル車両も導入を進める。2023年9月には住宅施工現場への配送に平ボディーのEVトラックを導入。2024年10月には廃油由来の燃料で走行するリニューアブルディーゼル車を神奈川県厚木市に導入し、建築部材の配送を開始している。
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