JR東日本は、ICTなどの先端技術を活用した新幹線のスマートメンテナンスを2024年12月から開始する。2種類の新幹線モニタリング車両を導入する他、スマートメンテナンス用の業務システムも刷新を図る。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は2024年11月22日、新幹線のスマートメンテナンスを12月から本格始動すると発表した。
JR東日本グループでは、新幹線モニタリング車を用い、スマートメンテナンスを実現し、線路点検などの安全性、品質、生産性の向上を図るとともに、これまで人の手で行っていた業務を一部システム化することで社員の働き方改革につなげる狙いだ。
スマートメンテナンスは具体的には、レール内部に生じる傷などの状態を点検するレールモニタリング車「SMART-Green」と、まくらぎなどの状態を検査する線路設備モニタリング車「SMART-Red」の2種を導入する。両車は連結しての運転が可能で、少人数で線路を検測し、検測や取得データの処理は日本線路技術が担う。
新たに開発したスマートメンテナンス用の業務システム「S-RAMos+」も採り入れる。測定データの処理から技術者の確認、判断までのプロセスが、単一のプラットフォーム上で可能となり、モニタリングした画像から、修繕を要する箇所を自動判定する。
SMART-Greenは、既にJR芳賀市日本の新幹線全線で2023年6月から稼働済み。SMART-Redは、2024年12月から東北新幹線の一部エリアで1台が稼働を始め、2025年末までには計4台を導入する計画だ。S-RAMos+も、2024年12月から運用を開始する。
また、今回開始するスマートメンテナンスは、今後は他の鉄道会社への展開も検討する。
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