JR貨物は、コマツと共同開発し、ガイダンスとセミオートの機能のあるコンテナ用フォークリフトを全国の貨物駅で採用することを決めた。初弾で2024年12月初旬に、東京貨物ターミナル駅に導入する。
日本貨物鉄道(JR貨物)は2024年11月13日、ガイダンスとセミオートの機能を備えたコンテナ用フォークリフトを製作し、2024年度から各貨物駅に順次導入すると発表した。今回の導入により、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた社会に提供する4つの価値の1つ「物流生産性の向上」に向け、SDGsの実現や物流を取り巻く諸課題の解決に貢献していく。
貨物駅ではトラックから鉄道へのコンテナ積替え作業に大型のフォークリフトを使用しているが、運転操作には高度な技能と判断力が必要なため、熟練オペレーターの確保や新人オペレーターの早期育成も課題となっていた。解決のためにコマツと共同で、操作ガイダンス機能と操作セミオート機能を搭載したフォークリフトの研究開発を進めてきました。
操作ガイダンス機能は、複数のカメラなどのセンサーを用い、視認しにくいフォーク先端高さや中心位置をモニター表示する。コンテナを適正な位置で保持しているかを検出し、適切でない場合はオペレーターに警告を促し、周辺コンテナへの接触やコンテナ落下事故を防ぐ。
操作セミオート機能は、外界センサーで荷役対象コンテナの位置を認識し、オペレーターがアクセル操作のみでフォークリフトを自動的に荷役対象コンテナへ正対させることができる。独自の荷役対象を認識する技術も備え、フォーク位置を正確に自動制御する。そのため、、新人オペレーターの育成期間の短縮や操作を簡略化による安全性向上などが見込まれる。
2024年12月初旬に東京貨物ターミナル駅に1台目の導入を予定しており、その後は全国の主要な貨物駅へ順次導入していく。
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