高速道路の法面補修で水素活用のGX建機を導入、大林組脱炭素

大林組とコマツは、NEXCO西日本発注の大分自動車道の「法面補修工事」で、電動ミニショベルの充電用に可搬式の水素混焼発電機を設置し、建設現場の水素活用に関する実証実験を行った。

» 2024年08月19日 18時00分 公開
[BUILT]

 大林組は2024年8月9日、NEXCO西日本発注の大分自動車道「法面補修工事」において、コマツ(小松製作所)と共同で、建設現場の水素活用に関する実証実験を行ったと発表した。受電が難しい建設現場で電動化建機の運用性を検証するため、現場に電動ミニショベルと、充電用の可搬式の水素混焼発電機を設置。軽油のみを燃料とした場合と比較して、充電時のCO2排出量を約4割削減した。

大分自動車道の、法面補修工事。赤枠上は、実証試験で導入した電動化建機、赤枠下は水素混焼発電機 大分自動車道の、法面補修工事。赤枠上は、実証試験で導入した電動化建機、赤枠下は水素混焼発電機 出典:大林組プレスリリース

 実証実験は2024年7月8日から2024年7月19日にかけて実施した。土砂の積み込み作業用車両として、GX建設機械に認定されたコマツの電動ミニショベル「PC30E-6」を導入。また、充電用にコマツの水素混焼発電機を設置し、発電機の燃料には大林組が大分県玖珠郡九重町で製造した水素を活用した。発電機のサイズは3135(長さ)×1100(幅)×1730(高さ)ミリ、重さ2210キロ。エンジン排気量3.3リットルで、水素混焼率範囲0〜40%。

 大林組は2024年度から、施工段階で排出するCO2削減の一環として、GX建設機械を計画的に導入する方針を示しており、今回の成果を今後の導入計画に生かすとしている。

 なお、現場実証にあたっては、事前に大阪府枚方市にある大林組の西日本ロボティクスセンターで、建設現場での各機械の運用を想定した検証を実施した。

電動ミニショベルによる作業(左)、水素混焼発電機と水素カードル(右) 電動ミニショベルによる作業(左)、左上が水素混焼発電機で右下が水素カードル(右) 出典:大林組プレスリリース

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