大林組は兵庫県の建設現場で使用するグリーン水素の輸送手段を、トラックから鉄道に切り替えた。鉄道による水素輸送は国内初の試みで、トラックを使用した場合と比較して、輸送に伴うCO2排出量を約8割削減する。
大林組は2024年1月15日、大分県で製造し、兵庫県の建設現場で使用する再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の輸送手段をトラックから鉄道に切り替えたと発表した。鉄道による水素輸送は国内初の試みで、トラックを使用した場合と比較して輸送に伴うCO2排出量を約8割削減する。
大林組は岩谷産業が発注した「岩谷産業研修施設新築工事」(神戸市、工期:2023年2月13日〜2024年10月15日)の建設現場で、CO2削減に関するさまざまな実証を行っている。この取り組みの一環として、仮設現場事務所ではパナソニック製の燃料電池を活用した電力供給を実施。燃料には岩谷産業が製造する水素と、大林組が大分県玖珠郡九重町の実証プラントで製造するグリーン水素を利用している。
大林組は今回、同グリーン水素の長距離輸送に伴うCO2削減を目的に、輸送経路の大部分をトラックから鉄道に切り替える「モーダルシフト」を実施した。この結果、1回(片道)当たりの輸送にかかるCO2排出量が従来の0.347トンから0.062トンに減少し、82%の削減を達成した。
なお、鉄道輸送の実施に際しては、JR貨物と、鉄道コンテナ輸送などの物流サービスを手掛ける全国通運、大分県で総合エネルギー事業を展開する江藤産業の協力を得た。
水素は燃焼時にCO2を排出しない次世代エネルギーとして期待されている。その中でも特に、再生可能エネルギーにより水を電気分解して生成する「グリーン水素」は製造工程でもCO2を排出しないクリーンなエネルギーとして注目される。
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