羽田空港に木造／鉄骨ハイブリッド構造のサテライト施設建設 2026年夏に供用開始へ：産業動向

日本空港ビルデングは、羽田空港の第1ターミナル北側に、羽田空港では初となる木造／鉄骨ハイブリッド構造の出発／到着ゲート施設を建設する。2026年夏頃の供用開始を目指す。

[BUILT]

　日本空港ビルデングは2024年5月7日、羽田空港の第1ターミナル北側に6スポットを備えた出発／到着ゲート施設（サテライト施設）の建設工事に着手した。羽田空港では初となる木造／鉄骨ハイブリッド構造の建物で、2026年夏頃の供用開始を目指す。

第1ターミナル北側サテライト施設イメージ　出典：日本空港ビルデングプレスリリース

位置図　出典：日本空港ビルデングプレスリリース

　施設は地上3階建てで、建築面積は約1万1000平方メートル、延べ床面積は約2万1000平方メートル。設計監理者は梓設計、技術アドバイザーとして三菱地所設計が参加し、施工は大成建設が手掛ける。 1階は鉄骨造、2階以上に木造を取り入れ、国産材1800立方メートルを使用する。木材の使用により、鉄骨造と比較して、建設時に排出されるCO2を2630トン削減する他、供用開始後も建物に長期間1435トンのCO2を固定する。木造部分には、大断面集成材とCLT（直交集成板）材、LVL（単板積層材）材を使用する。

木造／木質化の範囲　出典：日本空港ビルデングプレスリリース

完成後の施設内イメージ　出典：日本空港ビルデングプレスリリース

　施設では、太陽光発電設備の導入や外壁断熱の高性能化などにより、建物で消費する年間の一次エネルギーを30％以上低減する「ZEB oriented」認証の取得を目指す。空調による消費エネルギーを削減するために、水平庇（ひさし）による南日遮蔽（しゃへい）、木製方立による西日射遮蔽、外壁断熱の高性能化などに取り組む。

　また、建物の消費エネルギー低減策として、高効率熱源や変流量（VWV）制御、変風量制御、ファンのINV制御、床吹出輻射熱空調による居住域空調、LED照明など、各種設備システムの高効率化技術を採用した。

完成後の施設内イメージ　出典：日本空港ビルデングプレスリリース