リバスタは、建設業界向けのCO2排出量算出、可視化クラウドサービス「TansoMiru」の提供を開始した。第1弾の「TansoMiru管理」では、CO2排出量を現場単位で可視化し、集計結果を支店や会社単位でレポーティングできる。
リバスタは2024年4月1日、建設業界向けのCO2排出量の算出や可視化を実現するクラウドサービス「TansoMiru(タンソミル)」の提供を開始した。
TansoMiruの第1弾としてリリースする「TansoMiru管理」は、CO2排出量を支店や会社単位で集計し、建設現場ごとのCO2排出量の傾向が分かり、CO2削減ポイントの発見や分析が可能になる。
また、産業廃棄物の収集運搬に関連するCO2排出量を自動算出する「産廃CO2サービス」や「Buildee CO2」と併用すれば、産業廃棄物の収集運搬、揚重機や機材の稼働、建設現場の電気使用に伴う電力由来のCO2排出量を自動で算出し、手動入力のデータも含めて一元管理できる。将来は、一般社団法人の電力データ管理協会を通じて取得した電力データの取り込みも見据えている。
主な特長としては、国際的な温室効果ガス排出量の算定と報告の基準「GHGプロトコル」に準拠したデータ管理に対応している点がある。また、原単位には、国内の約5000種類の製品やサービスの環境負荷情報を取得する透明性の高いインベントリデータベース「IDEAv3.1」を採用している。
今後は、TansoMiruの第2弾として、建設現場の電気使用に伴って電力由来のCO2排出量を自動算出する「TansoMiru電力」の発表を予定している。
なお、TansoMiru管理の提供開始に伴い、産廃CO2サービスを「TansoMiru産廃」に名称変更。従来の産業廃棄物の収集運搬に加え、産廃処理の工程でもCO2排出量の自動算出ができるようになった。産業廃棄物処理に伴う機能は、まずは無償のβ版で提供し、さらなる機能強化を図っていく。
TansoMiruのサービスを始める背景についてリバスタは、「建設業界では入札段階や工事成績評点で施工時や竣工後の建築物で、CO2排出量の削減が評価され、加点につながる。建設会社からCO2排出量を開示し、削減方針を示さないと、発注者であるデベロッパーから施工者として選ばれにくくなる状況も起きており、建設会社にとってCO2排出量の削減は喫緊の課題となっている」と指摘。
しかし、「建設現場は施工の規模や工期がそれぞれ異なり、CO2排出量の把握に際して集計や管理を個別に行う必要があり、現場担当者の業務負担が増大している」とし、解決のツールとしてローンチに至ったと説明する。
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