Chatworkは、「2024年問題」の影響が懸念される建設、物流、製造業の中小企業を対象に、DXやSaaSの認知度と理解度、活用状況などを分析した。建設業のDXやSaaSへの理解度はいずれも低く、デジタル化を阻む要因として、金銭面のコストや、社内に詳しい人がいないといった課題が明らかになった。
ビジネスチャットを提供するChatworkは2024年4月3日、「2024年問題」の影響が懸念される建設、物流、製造の中小企業を対象に、DX(デジタルトランスフォーメーション)やSaaSの認知度と理解度、活用状況などを分析したレポートを公表した。レポートによると建設業のDXやSaaSへの理解度はいずれも低く、実務ではWeb会議やビジネスチャットをあまり利用していないという実態が明らかになった。
調査は2023年10月20〜23日、中小企業の社長1055人とバックオフィス担当者1070人を対象に実施した。今回のレポートではこのうち、物流業224人、建設業478人、製造業374人の回答を分析した。
調査結果では、DXについて「聞いたことがない」との回答が3業界全体で50.8%と約半数を占めた。建設業は55.9%と全体よりも高く、「意味を理解しており、他の人に説明できる」との回答は、唯一、1割を下回り7.3%にとどまった。
SaaSについては「聞いたことがない」の回答が3業界全体で71.3%とDXよりも20ポイント以上高かった。建設業は81.2%で、「意味を理解しており、他の人に説明できる」との回答はわずか2.1%だった。
続いて、DXの実行状況を、業界別と企業規模別に分析したところ、DXの進捗と企業規模には相関があり、企業規模が小さくなるほど遅れる傾向がみられた。特に30人以下の企業では、「デジタルをほとんど活用していない(ステップ0)」と回答した割合が70.2%となった。
建設業では企業規模が大きくなるにつれて「ステップ0」の割合が低くなる傾向がみられた。なお、31〜100人以下の「ステップ0」の割合は43.9%、101〜300人以下は32.6%だった。
また、SaaSの利用状況や活用意向について業界別に分析したところ、建設業では29.1%の企業が「既に導入し、活用している」と回答した。
具体的にどのようなSaaSツールを導入しているかを聞いた結果、全体では「Web会議」が45.1%と最多で、「経費精算」が30.7%、「ビジネスチャット」が30.3%と続いた。建設業ではWeb会議が42.4%、経費精算が35.3%、ビジネスチャットが23.7%だった。
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