大成建設と日立コンサルティングらは、発注者の承認プロセスをBIMモデルをもとに誰でも操作しやすいUIを備えたメタバース空間で完結する「建設承認メタバース」の開発に乗り出した。
大成建設は、日立コンサルティング、GlobalLogic Japan、日立社会情報サービスと共同で、「建設承認メタバースーCONSTRUCTION CONTRACT」の開発を開始すると2023年9月8日に発表した。
GlobalLogic Japanは、日立製作所が2021年7月に買収した北米シリコンバレーに本社を置くデジタルエンジニアリングサービス企業GlobalLogicの日本法人。
4社は今回、意匠・構造・設備を統合したBIMモデルをベースに、建築物のメタバース(3D仮想空間)をクラウド上に立ち上げることを目指す。
メタバース空間では、発注者などへの説明から仕様決定などの承認までの情報をはじめ、発注者や設計者、施工者といったプロジェクトの関係者間での合意形成に用いるデータ、議事録などを一元管理する。さらに、施工での手戻りや工程の再調整を減らし、業務の効率化を図るべく、発注者への説明や仕上げの仕様決定など「建設承認」を得る過程で、関係者相互の認識の相違をなくして、速やかな合意形成にもつなげる。
VR(仮想現実)との融合や承認プロセスのデジタル化、議事録の自動作成などによりプロジェクトの立ち上げから建設承認までの流れを詳細に把握できるため、確定した情報を明確化することで、仮想空間上で早期に建築物を竣工させ、現実のプロジェクトにもフィードバックし、手戻り削減や工程の確認などに寄与する。また、BIMに慣れていない場合でも、仮想空間のため、容易に詳細を確認でき、相互にイメージを共有することでスムーズなコミュニケーションが可能となる。
4社は今後、同業他社やIT企業などとの連携、協調を図り、生成AI(人工知能)やゲームエンジンといった技術も用いることで、施工現場での生産プロセスのDXを通じて建設業の次世代の業務スタイルへの変革に取り組む。
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