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» 2023年09月04日 08時00分 公開

NATMで施工の道路トンネルとして世界最大級の断面積の掘削を完了スマートコンストラクション

鹿島建設は、東日本高速道路発注の神奈川県横浜市「横浜環状南線 釜利谷庄戸トンネル工事」の上り線トンネルの一部区間の掘削を2023年3月に完了させた。掘削断面積は485平方メートル。

[BUILT]

 鹿島建設は、東日本高速道路発注の神奈川県横浜市「横浜環状南線 釜利谷庄戸トンネル工事」の上り線トンネルの一部区間の掘削を2023年3月に完了させた。

超大断面の分割施工と機械の大型化で、掘削後の切羽を早期に安定

世界最大級の掘削断面積を達成(2023年3月) 世界最大級の掘削断面積を達成(2023年3月) 出典:鹿島建設プレスリリース

 横浜環状南線の釜利谷JCT〜戸塚IC(仮称)間は約9キロメートルで、圏央道の一部だ。工事では、釜利谷JCTとの接合部から環状4号線との交差部までの約1キロメートルの区間に総延長3,946メートル、7本のトンネルを施工し、最小離隔60センチメートルで4本のトンネルが並ぶ「4連区間」、2本が分岐合流し大断面トンネルとなる「分合流区間」、最小1.7メートルの低土被りの矩形トンネルとなる「低土被り区間」の3区間で構成される。

 なかでも、5車線の分合流区間上り線トンネルの一部は、最大幅29メートル、最大高さ20メートル、掘削断面積485平方メートル。同社によれば、掘った部分をコンクリートで固

めながら、山自体の保持力を利用し、トンネルが崩れるのを防ぐ「NATM(ナトム:New Austrian Tunneling Method)」で施工する道路トンネルとしては、「世界最大級の大断面」とのことだ。

釜利谷庄戸トンネル 3区間の構成イメージ 釜利谷庄戸トンネル 3区間の構成イメージ 出典:鹿島建設プレスリリース

 従来の、トンネルを上下に分割して掘削を行う方法は、超大断面トンネル掘削では切羽の安定性に懸念があった。そこで、切羽の早期安定のため、トンネル上部を2分割して施工する上半の2分割掘削と、仮インバート閉合を採用した。

 上半の2分割掘削では、上半の上部掘削後、下部掘削に先行してコンクリート吹付けを行い、切羽開放時間を短縮し安定性を高めた。また、トンネル断面を早期に円状にし、構造的に安定させる仮インバート閉合を行いトンネルの変形を抑制、切羽のさらなる安定性を確保した。さらに、効率よい掘削のため、ブームを延長するなど重機の大型化改造を行い、左右2台編成で施工した。

 施工中の騒音・振動の低減を目的に、低振動型に改造した機械の使用など、住宅密集地での周辺環境にも配慮した。

大断面の掘削方法 大断面の掘削方法 出典:鹿島建設プレスリリース
上半の2分割掘削と仮インバート閉合 上半の2分割掘削と仮インバート閉合 出典:鹿島建設プレスリリース

 今後は、掘削断面積370平方メートルとなる下り線トンネルを、上り線トンネルとの最小離隔1.0メートルの難易度の高い位置に施工する。

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