帝国データバンクは、不祥事に揺れる「ビッグモーター」が業績悪化に陥った場合、サプライチェーン企業に与える影響を調査し、その結果、建設関連が全体の4割超となる171社に上ることが判明した。
帝国データバンクは2023年8月3日、修理代金の水増し請求が発覚して以降、不正車検や公道の街路樹枯死など、次々と新たな不祥事が明らかになっている中古車販売会社「ビッグモーター」について、部品供給や店舗建設などサプライチェーン企業に与える影響の調査結果を公表した。
調査結果によると、全国263店舗を運営するビッグモーターの売上高1%以上に依存している仕入れや下請けのサプライチェーン企業は410社。業種別では「自動車部品卸」と店舗建設に関わる「建設業」が上位に入った。
業種別の社数では、店舗での整備業務などに関わる「自動車部分品・付属品卸売業」が40社で最も多く、全体の約1割。次いで「建築工事業」22社、「内装工事業」20社、「土木工事業」13社と続き、「鉄骨工事業」11社、「とび工事業」9社、「金属製建具工事業」8社も含み計6業種が上位10業種にランクイン。建設業は合計で、サプライチェーン全体の4割超となる171社が影響を受けると推測している。
帝国データバンクでは、「ビッグモーターの業態柄、個人との売買が中心だが、部品供給や店舗建設など、仕入や下請け業務に関わるサプライチェーン企業も少なからず存在し、業況が悪化すれば、こうした業種への影響も避けられないだろう」と指摘する。
今回、帝国データバンクは今後、ビッグモーターの業績悪化は避けられないとみて、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を2023年時点の「商流圏〜売上高依存度推計データ」を基準に算定し、サプライチェーン企業に与える影響の範囲を調べた。
このうち、売上高依存度では、直接取引のある「Tier1(平均依存度:10.9%)」は156社で売上高187.2億円の推計。間接取引のある二次取引先の「Tier2(平均依存度:3.2%)」は229社で35.8億円、「Tier3(平均依存度:2.0%)」は25社で1.0億円。サプライチェーン企業にもたらされる売上高の合計は、224億円にも上るという。
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