鹿島建設は、システム天井を安全かつ効率的に施工できる天井ボード取付ロボットと移動式天台を開発し、施工中のオフィスビル現場へ導入した。
鹿島建設は2026年6月29日、システム天井施工向けの天井ボード取付ロボットと移動式天台(作業床)を開発し、施工中のオフィスビル現場へ導入したと発表した。
ロボットはテムザックと共同開発したもので、タブレットからの指示で天井ボードを自動で取り付られる。移動式天台は技能者を乗せたまま任意の位置に移動できる。これらを組み合わせることで、システム天井施工の省人化と仮設材の大幅な削減を実現した。
システム天井施工は、一般的に天台と呼ばれる作業床を施工範囲全体に敷き並べて作業する。大規模オフィスビルでは1フロア当たり約200台の天台が必要で、搬入や組み立て、設置に多くの手間を要するほか、作業時の安全性、フロア間移動に使用する工事用仮設エレベーターの専有時間の長さも課題となっていた。加えて、建設技能者の不足や高齢化を背景に、省人化も求められている。
今回開発した天井ボード取付ロボットは、ボードを搭載するストッカー、作業場所に移動して位置調整を行う移動体、ボードを吸引して取付け作業を行うロボットアーム、制御PCで構成。移動体は2分割でき、本設エレベータにも積載可能だ。
制御用PCに接続した専用タブレットで施工範囲を指定して開始ボタンを押すだけで、ロボットが自身と天井下地との相対位置を計測し、自動で移動/位置調整しながら天井ボードを所定の位置に取り付ける。図面の読み込みやマップ作成などの準備は不要だ。
天井ボードは格子状に組まれた天井下地に取り付ける。ロボットアーム先端のセンサーが天井裏の設備ダクトや耐震ブレースなどの障害物を検知し、最適な設置軌道を自動的に選択して設置する。ボードは最大40枚まで積載可能で、約1分に1枚のペースで連続施工。その間、技能者はロボットが施工できない狭あい部のボードを施工するなど他の作業を行える。
一方、移動式天台は、従来の天台へリモコン操作可能な駆動装置を固定したもの。斜め約45度に小さいローラーを円周上に並べた特殊な車輪「メカナムホイール」の採用により全方向へ移動できる。1台の駆動装置で最大3台の天台を連結できるため、高所作業車より広い作業床を確保し、資材をより多く載せられる。天台の高さも調整でき、設備の空調ダクトの施工などにも対応可能だ。
鹿島建設は両システムを施工中のオフィスビル現場へ導入し、天井ボードと天井下地の施工を行った。天井ボード施工では、従来は技能者2人で行う作業をロボット2台と技能者1人で施工でき、省人化効果を確認した。天井下地施工では移動式天台の活用により、従来工法と比較して天台数を約9割削減した。大量の天台の設置や移動作業を削減することで、作業効率だけでなく安全性の向上にもつながった。
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