西松建設と大日本コンサルタントなどで構成するコンソーシアムは、センサーやカメラで供用中橋梁を遠隔監視できるモニタリングシステムのプロトタイプを開発。福岡県久留米市にある築42年の道路橋で実証実験を開始した。道路橋梁の点検後に任意のポイントを継続的にモニタリングできるようにするなど、維持管理コストの効率化や負荷軽減に貢献するシステムだという。
西松建設と大日本コンサルタントなどで構成するコンソーシアムは2016年11月1日、供用中の橋梁を遠隔できるインフラモニタリングシステムのプロトタイプを開発し、福岡県久留米市の「長門石橋」で実証実験を開始したと発表した。画像と振動などの物理量を同時に検知し、現場の状況をリアルタイムに目視確認できるシステムで、橋梁管理者の維持管理に伴う負担軽減や、補修・更新業務の安全性向上に寄与するという。
同システムは「センサーユニット」「カメラ装置」「コンセントレーター」「クラウドサーバー」「見える化アプリ」の5つで構成する。このうちセンサーユニットとカメラ装置のプロトタイプを、2015年末から久留米市が管理する長門石橋に設置した(図1)。
モニタリングの対象範囲は、長門石橋の右岸側から2径間目の中央から右岸側とし、P4橋脚近傍およびP3〜P4橋脚支間中央近傍の上/下流側のそれぞれに合計4基を配置している(図2・3)。
このシステムを使うことで、橋梁管理者はPCからセンサーユニットおよびカメラ装置のオン/オフ、クラウドサーバーへのデータ転送、トリガーモードの選定やカメラ装置の画角・ズーム調整などを、インターネット回線を経由して遠隔操作できる。同様に、見える化アプリにより、PCなどから橋梁の状態を計測データと画像データから確認するなど、リアルタイム監視が可能だ。
定期点検結果を基に、橋梁の機能に何らかの支障が生じていると認められた箇所を限定し、その後も継続的にモニタリングするといった使い方もできる。供用電源が喪失するような非常時においても、無停電電源装置により数分間稼働できるようにした。
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