清水建設は、既設高速道路の床版取替工事に関わるサプライチェーン強化策の一環として、約2億円を投じ、エスシー・プレコンの千葉県流山市にある本社工場内にプレストレストコンクリート(PC)道路橋床版専用の製造ラインを新設した。
清水建設は、需要が増加している既設高速道路の床版取替工事にかかわるサプライチェーン強化策の一環で約2億円を投じ、エスシー・プレコンの千葉県流山市にある本社工場内にプレストレストコンクリート(PC)道路橋床版専用の製造ラインを新設したと2023年4月に発表した。エスシー・プレコンは、プレキャストコンクリート製品の製造や販売を手掛ける清水建設の100%子会社。
昨今、高度成長期に建設された高速道路が更新期を迎え、大規模更新工事の需要が増加している。床版取替工事は、事業総額5兆円とされる高速道路更新事業の6割を占める主要工事で、今後も継続的な工事発注が見込まれている。
清水建設はこうした状況の下、床版取替工事のサプライチェーンを強化。建築工事用のコンクリート2次製品を主に製造してきたグループ会社、エスシー・プレコンが保有するPCa生産のノウハウとリソースを土木分野に展開し、PC道路橋床版専用の製造ラインを新たに整備した。
新設した床版製造ラインは、プレファブ鉄筋組立ラインと床版製作用ラインで構成し、床版製作用ラインには、PC鋼材に最大5000kN(キロ・ニュートン)の張力を付与できる緊張ジャッキや打設後のコンクリート硬化を促進するボイラー式養生設備、床版搬出用の20トン門形クレーンなどを配備している。生産能力は標準的な縦12メートル×横2メートル×厚さ20センチ、重さ12トン程度のPC床版部材を生産対象にした場合、月産80枚を見込む。現場に供給する床版部材の生産をグループ会社が担うことで、安定的な部材調達やよりきめ細かな品質管理が可能になり、調達コストも約20%削減する予定だ。
今後は、2023年秋からエスシー・プレコンでのPC道路橋床版の生産を本格化し、神奈川県内で施工中の「東名高速道路所領橋床版取替工事」への部材供給を開始する。
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