オフィス内には全エリアの空気質や温度、湿度などが常時チェックできるセンサーを設置。エリアごとの現在温度などがすぐに分かるため、自身の体感にとって居心地の良い場所を選択できる。パナソニックの空間除菌脱臭機「ジアイーノ」をトータルで12台配置するなど、クリーンな環境を保つ工夫も凝らしている。
フリーアドレスでも不便がないように、各社員が持つビーコンの情報をもとに、密集度や社員の位置などを把握できるようにした。新型コロナウイルス対策での密集回避や目的の人をすぐに見つけて話し合えるオフィスの新しい運用に役立っている。
こうしたWELLの思想に基づいたオフィス空間の構築は、数字の上でも効果が出ている。社員の職場環境に関するアンケートで、WELL改修前と改修後に「仕事への意欲」「仕事を通じて価値ある時間を過ごしている」「健康的に働けている」の3つの設問で、肯定的な評価を回答した割合の向上がみられた。
パナソニックでは今後、蓄積したノウハウを生かして、他企業へのWELL認証取得支援サービスに力を入れる。審査に必要なスコアシート評価や建築設備評価、アドバイスといった基本的なコンサルティングはもちろん、自社独自サービスとして内装設計や運用アドバイス、社員向けセミナーなども展開する。
小林氏は、「認証を求める国内企業の業種は広がってきている。当社はユーザー企業の状況に合わせたサービスを提供して支援していく」と展望を述べた。
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