パナソニック ホームズは、住宅用全館空調システム導入が健康症状・生活の質に与える影響について、慶應義塾大学 理工学部 伊香賀教授と共同で調査研究し、結果を2022年9月に開催された日本建築学会および空気調和・衛生工学会で発表した。
パナソニック ホームズは、住宅用全館空調システム導入が健康症状や生活の質に与える影響に関する調査結果の一部を公表した。
同研究は、慶應義塾大学 理工学部 教授の伊香賀俊治氏と共同で取り組でいる。今回は健康症状および生活の質に関するアンケート調査を実施。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準以上の断熱性能を備え、「高性能フィルター搭載の全館空調」「床暖房」「個別空調」といった設備を導入した住宅へ転居した居住者が対象。対象のエリアは東北から九州、築年数は1〜5年とした。回答者数は4774人。
今回の調査では、高性能フィルター搭載の全館空調を導入した住宅への転居者の67%が手足の冷えの改善、46%が眠りの質の改善、62%が活動意欲の改善を実感しているという結果となった。
その他、各種の健康症状・生活の質に関する改善率が他の空調設備に比べて高いことが明らかとなったという。「住宅内の温熱環境や空気質が、住む人の健康や生活の質へ影響を及ぼし、快適な暮らしには換気・空調設備の方式選定が重要だと言える結果となった」とパナソニック ホームズはコメントしている。
住宅内温熱環境が居住者の健康に与える影響は、国土交通省スマートウェルネス住宅等推進調査事業での全国調査の報告などで、知見が明らかになりつつある。住宅の室内環境形成は、建物の断熱性能のほか、換気・空調設備の選択も大きく影響する。近年、高断熱化や設備の進歩から、快適性や省エネ性に配慮した全館空調やフィルターの設置などにより、花粉やPM2.5に配慮した換気設備の採用も増加している。こうした背景から、同研究では、換気・空調設備の違いが住む人に与える影響に着目した。
同研究の調査結果は、2022年9月に開催された日本建築学会および空気調和・衛生工学会で発表している。
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